楠康成選手が愛用するブルックスのランニングシューズとは?ドリルとギアで練習を積み重ねる「教えて!あなたのスタメンシューズ」楠選手編
Jan 10, 2026 / SHOES
Jan 10, 2026 Updated

さまざまなランナーが愛用するランニングシューズについて聞く、Runtrip Channelの人気企画「教えて!あなたのスタメンシューズ」。今回はスポーツMC・岡田拓海さんとともに、阿見アスリートクラブ SHARKS所属・楠康成さんのスタメンシューズ5足と、使い分け方法やトレーニングについてお話を伺いました。
日本一「ドリル」にこだわる阿見アスリートクラブ
楠さんは3000m障害で8分25秒70の自己ベストを持ち、世界大会を目指して挑戦を続けている現役トップアスリートです。1500mで日本選手権に出場したキャリアを持ち、現在は市民ランナーの指導にも力を注いでいます。2022年からは株式会社SHARKSの代表として、トップアスリートチームの指導・合宿・イベントのマネジメントに加え、小学生から大人までを対象とした陸上教室の開催もしています。特に楠さんは、大人向けの陸上教室DREAMにて市民ランナーの指導を担当しています。

SHARKSの母体である阿見アスリートクラブは、日本一「ドリル」にこだわっているチーム。トレーニングの3分の2をドリルトレーニングに充てているといいます。その理由として「ドリルは選択肢を広げてくれる。ランニングのスピードを上げたり別種目に挑戦する際には取り組むべき練習が変わってくるが、そのときに自分の身体をどう理解しているか、どういう動きをするのかという視点が必要。ただスピードを上げるだけではけがにつながる可能性があるため、まずは適した動きをつくり、その動きを保てる距離を少しずつ伸ばしていくことが大切」と楠さんは話します。
SHARKSは2020年からBROOKSとともに活動に取り組んでおり、楠さんも練習内容や身体の状態に応じてBROOKSのシューズを使い分けています。
1.練習の大半を支えるベーシックな一足|Ghost 17

『Ghost 17』は楠さんがジョギングからペース走まで幅広く使用しているシューズ。1kmあたり3分40秒ほどのペースまで対応でき、日々の練習の約8割はこの一足で走っているといいます。楠さんはBROOKS全体に共通する特徴として、かかとのホールド感の良さを挙げています。「アキレス腱の痛みに気を遣っているため、ジョギングシューズはかかとがブレない安定性を求めている」と楠さん。『Ghost 17』はクッション性を備えながらも反発性が感じられ、一定のリズムで走る場面でも力を発揮しやすいと話します。
2.疲労を残さないための選択肢|Adrenaline GTS 25

「『Adrenaline GTS 25』は『Ghost 17』の安定感に加えて、横ブレを抑えるサポート構造が特徴」と楠さん。GTSとはGo-To-Supportの略で、BROOKS独自の構造・Guiderail®テクノロジーを指します。楠さんは、お尻やハムストリングスへの疲労感が大きくなると接地がブレやすくなると感じているそう。「そうしたタイミングでサポートのあるシューズを使うことで、身体へのダメージをできるだけ抑えることを意識している」と話します。
土曜日のロングランでは20〜27kmといった距離を走ることが多く、その際に『Adrenaline GTS 25』を選ぶケースが多いといいます。疲労感が少ないときは『Ghost 17』を選びつつ、身体の重さを感じながらも練習をこなす必要があるときには、翌週に疲労を残さないための選択として『Adrenaline GTS 25』を使っていると語ります。
「練習全体を見渡したときに、この練習ではどれくらい疲れるか・何を目的とした練習なのかを考えながらシューズを選ぶといいでしょう」(楠さん)
3.身体感覚を合わせるための一足|Hyperion MAX 3

『Hyperion MAX 3』は、楠さんにとって1000mを10〜15本、400mを20〜30本繰り返すようなインターバルトレーニングで使うシューズ。ミッドソール内部には樹脂プレートが入っており、接地から前に転がっていくような感覚があると楠さんはいいます。
ミッドソール素材には反発性に優れたDNA GOLDを搭載。楠さんは接地した瞬間から素早く反発を受け取れる点を評価しており、感覚が大切な3000m障害の競技特性に合っているそう。「アスリートの多くは、腕振り・姿勢・接地から足が離れるまでのタイミングを大切にしていると思う。このシューズはそのタイミングを合わせやすいため、40〜60分かかるような長めの練習で使用している」と楠さん。1kmあたり2分50秒から3分20秒ほどのペースで使っていると話します。
岡田さんは「市民ランナーのスピードトレーニングにもおすすめできるのではないか。楠さんのようなアスリートのスピードでも反発のレスポンスの良さを感じることができる、クッション性とスピードの出しやすさを兼ね備えたシューズだと思う」と述べました。
4.きつい練習で活躍するトップモデル|Hyperion Elite 5

『Hyperion Elite 5』は、楠さんが“一番きつい練習で履く”と語るトップモデル。5000mのレースペースを意識した練習や、200mを30秒・100mを20秒でつなぐジョグを10本(ゴールタイム:8分30秒程度)といったスピードの上げ下げを繰り返す高強度のトレーニングで使用しているそうです。強度の高い練習で「刺激を入れる時間」を確保することを意識している楠さんは、決まった心拍数や走行ペースを維持するためにこのシューズを選んでいると話します。
市民ランナーの指導においては追い込みすぎる練習にならないよう、トレーニングに励むランナーに対してあえてブレーキをかけることもあるそうです。1番大切なのは“練習の継続”と語り「倒れる手前の強度でありながら、次の週にダメージを残さないように工夫もしている」と話します。
「目標や能力に対して適切なペースと刺激時間を意識し、楽に走れる時間を長くすることがフルマラソンでのタイム向上につながる」(楠さん)
5.記録更新を後押しするスパイク|Hyperion Elite LD 2

3000m障害はじめトラック競技を中心に活動するなか「スパイクをメインですべてを考えている」と話す楠さん。スパイクはモデルやブランドによって使用感が大きく異なるため、同じシューズを使う選手同士で情報を共有しながら、翌シーズンにシューズが最大限の力を発揮できるような動きを追い求めていると語ります。
『Hyperion Elite LD 2』の使用感について、楠さんは「ミッドソールにDNA GOLDが搭載されたことで、楽に反発を得られる」と述べます。ジャンプと着地を繰り返す3000m障害ではクッション性も重要になり、この点で助けられていると感じているそうです。このスパイクを使用して3000m障害のシーズンベストを更新し大会で優勝できた経験もあり、自己ベストの更新を達成しました。『Hyperion Elite LD 2』により身体へのダメージを抑えながら良い練習を継続できたことが、タフさやスピードへの対応力につながっているのではないかと振り返っています。
おすすめのシューズとともに、トレーニングについても語られた楠さんのスタメンシューズ。特に楠さんは結果を出すためには長い時間をかけて練習を継続することが何より大切だと話します。モチベーションやリカバリーも含めた視点でギアを選び、自分が取り組みたい種目や練習、指導者の考えに合ったシューズを探すことで、前向きに練習を続けられるのではないかと語る楠さん。楠さんを参考にしたい方やブルックス好きのランナーにとって、今回の5足は心強い味方となってくれるでしょう。
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