【2025年】シューズアドバイザーが本気で選んだ“ランニングシューズベスト10選+1”を発表!
Dec 30, 2025 / SHOES
Dec 30, 2025 Updated

世界陸上東京大会やマラソン日本記録の更新など、マラソンやランニングが大きな賑わいを見せた2025年も年末。今年は世界の舞台を走る選手やランナーだけでなく、足元を支える最新ランニングシューズにも注目が集まった1年でした。
そこでシューズアドバイザー・藤原岳久さんがこの1年素晴らしいと感じたランニングシューズを『10選+1』という形式で紹介します。シューズのスペシャリストを唸らせたランニングシューズとは?
シューズアドバイザーが選ぶ2025年ランニングシューズ10選+1
デイリートレーナー部門|アイコンモデルから新興ブランドの注目モデルまで

ジョギングからウォーキングまで、ランナーの日常を支えるデイリートレーナー。藤原さんは今回4足のシューズを選出しました。
エンドルフィンシリーズをはじめ、近年注目度が上昇するサッカニーから『RIDE 18(ライド 18)』をノミネートしています。

8mmドロップでオーソドックスなスタイルのRIDEシリーズですが、今作はミッドソールに反発性の高い『PWRRUN+(パワーラン プラス)』を採用。ソフトな走り心地に磨きがかかった点が選出理由となりました。
つづいて選んだのは、ブルックスの厚底シューズ『Ghost MAX 3(ゴーストマックス 3)』。注目作が続々と登場するブルックスとあって「迷いに迷った」と藤原さん。

今作は「足抜けが良くて、厚底ならではの良さもある。“Do it all”で、ジョギングから軽やかなペースまで関係なく使えるのがすごくいい」と太鼓判を押します。
2025年話題となったナイキのアイコンモデル『ボメロ 18』もノミネート。『ペガサス』『ストラクチャー』と並び、ナイキを代表するデイリートレーナーですが、今作はZoomXフォームとReactXフォームの2層構造のクッショニングへ大きな進化を遂げました。

税込16,500円と手の届きやすい価格も魅力とあって、この1年初心者から上級者まで多くのランナーに選ばれた1足でもあります。
デイリートレーナー部門最後の1枠に入ったシューズは、トポ アスレチック『PHANTOM 4(ファントム 4)』です。“To help you move better”(人々のより良い動きをサポートする)を掲げるトポ アスレチックの中で入門モデルに位置付けられる本モデル。

今作の仕上がりについて「めちゃくちゃバランスが良いんです」と藤原さん。
「ソフトさと安定感のバランスが取れている。CLIFTONを超えるんじゃないかと感じるほどです。オブリークトゥ(Oblique Toe)と言って、親指が頂点になる広めの足の方にはもってこいのラスト(足型)。トポ アスレチックのシューズはデザインもかっこいいですよね」
テンポアップシューズ部門|話題沸騰のあのシューズなど2足を選出

テンポアップシューズ部門で選出されたのは、今年のランニングシーンを大きく賑わせたアディダス『ADIZERO EVO SL WOVEN(アディゼロ エヴォ エスエル ウーヴン)』、ニューバランス『FuelCell REBEL v5(フューエルセル レベル v5)』の2足。
2023年にアディダスが発表した『ADIZERO ADOIS PRO EVO 1』からインスパイアされた機能とデザインが詰め込んだ『ADIZERO EVO SL』。

2025年11月に登場した『ADIZERO EVO SL WOVEN』は、ウーヴンアッパーに変更されフィット感が向上しました。
「フルレングスのLIGHTSTRIKE PROを搭載しているので、シンプルにクッション性を感じられるシューズ。WOVENモデルはアッパーが改良されたことで、足によりフィットするようになりました」

一方、『FuelCell REBEL v5』については「歴代モデルで最高傑作」と表現。
PEBAとEVAフォームが融合したクッショニング素材と6mmドロップの船底型ソールにより、「非常に進んでくれる独特な接地感」を得られると言います。「ゆっくり走りはじめてもついついペースが速くなってしまう」というほど、軽やかな足運びを促してくれる1足。「カーボンシューズが苦手なランナーはレースにも活用できる」と藤原さんはおすすめします。
スーパートレーナー部門|ミズノの新感覚シューズがランクイン

超厚底ミッドソールのスーパートレーナー部門はアシックスの『MEGABLAST』をはじめ、続々と新作が発売された1年。藤原さんは「この部門は選ぶのが難しかった」と困惑しながらも今年を代表する2足としてナイキ『ボメロ プラス』とミズノ『MIZUNO NEO VISTA 2(ミズノ ネオビスタ 2)』を挙げました。
フルレングスのZoomXミッドソールを大胆に配置し、ポンポンと跳ねる『ボメロ プラス』。レーシングシューズにも採用されているZoomXミッドソールですが、「おそらく、デイリートレーナーとして扱えるように素材の配合がチューニングされている」とのこと。

「安定感とバウンドの両方を感じられる、配合のバランスが絶妙ですね。ペースがちょっと速いトレーニングでもリカバリーランでも使えるので、このシューズを履きたくなる日が増えました」

ミズノの新感覚シューズ『MIZUNO NEO VISTA 2』はバウンス感を得られるシューズでありながら、ナイロンプレートをミッドソール内部に配し、安定性を確保しています。
藤原さん曰く「フォームを意識したいランナーにはこのシューズがおすすめ」だと言います。
レーシングシューズ部門|シューズアドバイザーのベストパフォーマンスを引き出した2足

最先端の技術や素材が投入され、日進月歩の勢いで進化し続けるレーシングシューズ。各社のシューズが群雄割拠の様相を呈する中、アシックス『METASPEED EDGE PARIS(メタスピード エッジ パリ)』、プーマ『ディヴィエイト ニトロ エリート 3』の2足がノミネートされました。
特に、アシックスは新素材『FF LEAP』を採用したMETASPEED TOKYOシリーズが登場しましたが、あえて『METASPEED EDGE PARIS』を選んだ藤原さん。その理由について「東京マラソン2025でこのシューズを履いて走り、レース終盤までバウンドに助けられて走り切ることができたから」と、実感とともに打ち明けました。

最新作のMETASPEED EDGE TOKYOとの比較について問われると、「アリファティックTPUという素材を活用したFF LEAPは反発力がかなり高くなり、METASPEED EDGE TOKYOは非常に進化している」とアップデートを説明した上で、METASPEED EDGE PARISも十二分に目標達成を後押ししてくれる選択肢であることを示しました。

こちらも藤原さんが11月に走ったニューヨークシティマラソン2025で履いたという『ディヴィエイト ニトロ エリート 3』、坂道が多いコースを攻略するためにクセのない走り心地が特長の本シューズを選んだと言います。
藤原さんによると、前述したMETASPEEDやナイキのヴェイパーフライのように跳ねるような感触ではなく「自然な着地と転がるような足運びを促してくれるシューズ」とのこと。
+1選|ベストシューズ10選に加えてノミネートされたのは?
最後に「もう1足紹介したいシューズがある」と藤原さんが挙げたのはナイキ『ボメロ プレミアム』。ファミリーのボメロ 18、ボメロ プラスが10選に入る中、このシューズを語らないわけにはいかないと推薦しました。

「誰もが『すごい!』と驚くようなデザインとテクノロジーをシューズに盛り込んだナイキらしいシューズ。奇抜なデザインですが、バウンドが返ってきてランニングでしっかり使えます。ナイキが2025年はボメロイヤーだと意気込んで発表しただけあって、ボメロファミリーはどのモデルも傑作だと感じました」
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【選出ランニングシューズ一覧】
■デイリートレーナー部門
・サッカニー『RIDE 18』
・ナイキ『ボメロ 18』
・トポ アスレチック『PHANTOM 4』
・ブルックス『Ghost MAX 3』
■テンポアップシューズ部門
・ニューバランス『FuelCell Rebel v5』
・アディダス『ADIZERO EVO SL WOVEN』
■スーパートレーナー部門
・ナイキ『ボメロ プラス』
・ミズノ『MIZUNO NEO VISTA 2』
■レーシングシューズ部門
・アシックス『METASPEED EDGE PARIS』
・プーマ『ディヴィエイト ニトロ エリート 3』
■+1選
・ナイキ『ボメロ プレミアム』
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【プロフィール】
藤原岳久さん

FS☆RUNNING(旧藤原商会)代表
ランニングシューズフィッティングアドバイザー
日本フットウエア技術協会理事 / JAFTスポーツシューフィッター
元メーカー直営店店長,販売歴20年以上
・ハーフマラソン:1時間9分52秒(1993)
・フルマラソン:2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン)





