【ミズノ】厚底シューズ「ウエーブリベリオン」 シリーズに新作が登場。「PRO 2」「FLASH 2」の2モデルを徹底解説!
Feb 10, 2024 / SHOES
Jun 25, 2024 Updated
各シューズブランドから展開されるレーシングシューズの数々。そのなかでも、見た目からも独自路線を感じさせるのがミズノの『WAVE REBELLION(ウエーブリベリオン)』シリーズ。今冬、その最新作『WAVE REBELLION PRO 2(ウエーブリベリオンプロ2)』と『WAVE REBELLION FLASH 2(ウエーブリベリオンフラッシュ2)』が登場しました。
こちらの2足をRuntripお馴染みのシューズアドバイザー・藤原岳久さんが徹底解説します。藤原さんは多くのシューズブランドを渡り歩き、シューズ販売に携わり20年以上。47歳でマラソン自己ベスト2時間34分28秒を出し、現在も走るシューズアドバイザーです。
陸上スパイクから着想された独自のテクノロジー
大森:今回はミズノの新作2足、『WAVE REBELLION PRO 2』と『WAVE REBELLION FLASH 2』を紹介します。この2足は見た目的にも、1回見たら忘れないフォルムですね。
藤原:そうですね。ミズノと言えば陸上スパイクが多くの競技者から支持を得ていますが、そこから着想されて作られたのが『WAVE REBELLION』シリーズですね。
大森:かかとが反り上がっている形状は特徴的ですね。
藤原:どちらもミズノのSMOOTH SPEED ASSIST(スムース スピード アシスト)と呼ばれるテクノロジーで、推進力が出るようになっています。
大森:独自の進化を遂げているようですが、形状で不安を感じる人もいそうですよね。
藤原:立っているだけだと疲れますよ。でも走ると、ミズノの意図としていることが分かってくるというか、走っているときは形状による不安感を感じませんね。
走れば分かる!スピードを上げるための「WAVE REBELLION PRO 2」
大森:まずは『WAVE REBELLION PRO 2』です。
藤原:こちらは前作の『WAVE REBELLION PRO』よりもかかとの角度がついています。これはアスリートに履いてもらった知見から、1km3分ペースをより出しやすい構造になっています。
大森:かなり反り上がりが強くて、この形で敬遠するランナーもいそうですよね。
藤原:そうなんですが、ミズノはカーボンファイバープレートの使い方が全然違って、着地した時にかかと側に落ちないようにプレート形状を工夫しています。
大森:かかとの空いている部分に足が落ちないようにしているんですね。
藤原:これを試着した時に「これ、かかとが下がるな」というのはナンセンス。ぜひ、走ってみてほしいです。走りだすとふくらはぎの伸張を抑えてくれるようになっています。
大森:それによってふくらはぎの疲労を軽減するという考えですね。
藤原:そこが逆転の発想で、他のカーボンプレートのシューズとは違いがある部分だと思います。ミッドソールは反発弾性の高いMizuno Energy lite +(ミズノ エナジー ライト プラス)とMizuno Energy lite(ミズノ エナジー ライト)の2層に分かれていて、アウトソールもグリップ性の高いG3ソールを採用するなど、その他の機能性も備わっています。
大森:かなり厚みもありますけど、38mmなんですね。
藤原:世界陸連の規定(40mm以内)で計測するとその通りです。ただ中足部あたりはかなり厚くなっています。ルールの規定内で独自の考えて作られていますから、とても魅力的なシューズだと思います。
大森:どんなランナーにおすすめですか。
藤原:フルマラソンであれば、やっぱりサブ3以内のランナーだと思いますね。
大森:1km3分ペースというスピードを出す観点からすると、もっと短い距離でも良さそうですね。
藤原:もしかしたら5kmや10kmなど短い距離で使ってみる方が安心して使えるかもしれないですね。
スピードコントロールを実現する「WAVE REBELLION FLASH 2」
大森:続いて、『WAVE REBELLION FLASH 2』です。
藤原:どちらかというと、PRO 2をフルマラソンで使える人の方が少ないと思いますが、そこで光るのがこちらのシューズ。初代のWAVE REBELLION PROの形状を踏襲していて、もう少しペースを抑えた走りにマッチしています。
大森:なるほど。
藤原:こちらは樹脂プレートを使っていて、スピードをコントロールする仕組みになっています。ミッドソールも上層にMizuno Energy lite +を使っていますが、下層部には安定性のあるMizuno Energy(ミズノ エナジー)を組み合わせています。
大森:レベル的にはどれくらいのタイムを目指す方が使えそうですか。
藤原:フルマラソンなら、サブ4以内のランナーですかね。全部が高反発弾性があってプレートが硬いという感じではなくて、スピードを抑えてコントロールしやすい構造にしています。
大森:レースでPRO 2を使う人なら、ポイント練習とかでFLASH 2を使うというのも良いですか。
藤原:良いと思いますが、トラックでのスピード練習というよりは、ロードの距離走などの方が使いやすそうなイメージですね。
大森:選び方としてはどうでしょうか。
藤原:使いやすさで多くのランナーに合うのはFLASH 2かなと思いますね。
大森:かかとがない形状に慣れるのにも、まずはFLASH 2という選び方も良さそうですよね。
藤原:そうですね。まずはFLASH 2から入って、レースでタイムをもっと狙いたいランナーはPRO 2を着用するという流れも良いと思いますね。
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2人が解説するように、見た目の形状から「自分には履きこなせないかもしれない」と思った方も多いのではないでしょうか。そう思った方も、ぜひ一度藤原さんのレビューを参考にミズノ独自のテクノロジーを試してみてはいかがでしょうか。
商品詳細
ミズノ|WAVE REBELLION PRO 2
・価格:¥25,300(税込)
ミズノ|WAVE REBELLION FLASH 2
・価格:¥18,700(税込)
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藤原 岳久さん
FS☆RUNNING(旧藤原商会)代表
ランニングシューズフィッティングアドバイザー
日本フットウエア技術協会理事 /JAFTスポーツシューフィッター / 元メーカー直営店店長,販売歴20年以上
ハーフマラソン:1時間9分52秒(1993)
フルマラソン:2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン)