【カルフ】「FUSION ORTIX」はクッション性と推進力に優れたテンポアップシューズ
Jun 18, 2022 / SHOES
Jul 05, 2022 Updated
日本ではかわいいらしい “クマ” のロゴが人気のブランド『カルフ』。北欧では陸上のトップ選手が愛用しているシューズとして知られています。そのカルフの『FUSION ORTIX』をデイリートレーナー『IKONI ORTIX』と比較して、Runtripお馴染みのシューズアドバイザー・藤原岳久さんとレビューしていきます。
藤原さんはブランドを渡り歩き、シューズ販売に携わって20年以上。47歳でマラソン自己ベスト2時間34分28秒を出した、走るシューズアドバイザーです。
時代を先取りしてきたブランド「カルフ」
大森:今回メインで紹介するのは、カルフ『FUSION ORTIX』です。
デイリートレーナー『IKONI ORTIX』と比較することでシューズの機能や特徴を紹介していきます。その前に……まずは、『カルフ』というブランドについて触れたいと思います。
藤原:カルフなのに「なぜ “M”のマーク? 」と疑問に思う方もいるかもしれませんが、「MESTARI (メスタリ)」はフィンランド語で『チャンピオン』という意味です。
大森:フィンランド語でチャンピオンなのですね。
藤原:もともとカルフは “3本ライン”のロゴ でした。1600ユーロとウィスキー2本で、カルフが某ブランドに3本ラインのロゴの権利譲ったというストーリーがあります。
大森:はじまりは3本ラインを使っていたブランドなんですね。
藤原:そうなんですよ。はじめてシューズに空気のクッション “Air” を搭載したのもカルフなんですよね。『IKONI ORTIX』のレビューでもご紹介しましたが、船底型ソールでロッカー構造のカルフ独自のテクノロジー『フルクラム』も時代を先取りしています。
藤原:かつてフィンランドの陸上選手でスーパースター、パーヴォ・ヌルミとか……今でいうモー・ファラーやキプジョゲのような選手がいて、当時オリンピックで金メダルを独占した彼らはカルフのスパイクを履いていました。
基本的にヨーロッパの人たちのカルフのイメージは、“チャンピオン”が身につけているブランド。なので “メスタリ”なんですよ。
大森:チャンピオン=王者のシューズなわけですね。
藤原:チャンピオンといいながら、フィンランドの親しみのある “クマ” がいる。フィンランド満載、ヨーロッパ満載のシューズです。
クッション性が特徴の「FUSION ORTIX」
藤原:大森さん、『FUSION ORTIX』を履いて絶賛していましたよね。
大森:一言で言うとすごくよかったですね。
藤原:『IKONI ORTIX』はデイリートレーナーでガイドが強いのが特徴のシューズ。『FUSION ORTIX』はテンポアップと謳われているシューズです。
『FUSION ORTIX』は軽量でアウトソールもミニマム。アメリカのランニングショップで何十万件も足型データを計測した上でつくられているアッパーなのでフィット感がいいですね。
大森:前足部、比較的余裕はありますが、甲周り部分でフィット感はしっかりありますね。
藤原:フィット感はすごくテンポアップな感じがしますが、FUSION ORTIXは300gです。
大森:重量感がありますね。
藤原:ホームページでは『FUSION ORTIX』がクッショニングシューズ、『IKONI ORTIX』はスタビリティシューズと紹介されています。日頃からスポーツをしている人、クラシックなカルフのシューズを持っている人で、パフォーマンスシューズを履きたい方は『FUSION ORTIX』から入るのもよいと思います。
大森:『IKONI ORTIX』は安定感があるので、ガイドがあるシューズが好みの方に向いてますよね。一方で、クッション性や推進力を得たい方は『FUSION ORTIX』がピッタリだと思います。
「FUSION ORTIX」と「IKONI ORTIX」の履き分けは?
藤原:『FUSION ORTIX』はクッション性が高く、ポンポン弾む感じがありますね。『FUSION ORTIX』はペースが1つの人にオススメです。汗かくことを目的としていて、遅いとかゆっくりとか関係なく、自分の気持ちいいペースで走りたい方は『FUSION ORTIX』が向いています。
大森:なるほど。例えば朝30分・6分/kmで走りますというようなスタイルの方ですね。
藤原:テンポアップしてもいいのですが、ゆっくりのペースは『IKONI ORTIX』の方が得意だと思います。フルマラソンを目指していたりロング走をする方は『IKONI ORTIX』から履いてもらいたいですね。ダッシュするくらいで、長く・ゆっくり走らない方であれば『FUSION ORTIX』の方が、気持ちいいと思います。
藤原:サイズ展開ですが『FUSION ORTIX』のメンズは26.0 – 29.0cm、レディースは23.0-25.5cmで展開されています。レディースをワンサイズ上げるとメンズサイズになります。足が小柄な男性の方は工夫すると履けると思います。
ミッドソールに「フルクラム」搭載で、快適な走りを実現
大森:先ほど “船底” という話が出てましたが、少し技術的な話もお願いします。
藤原:ミッドソールの逆三角形のパーツに『フルクラム』というカルフ独自のテクノロジーを搭載されています。テコの原理でシーソーのように転がります。
大森:わかりやすいですね。シーソーなんですね。
藤原:フルクラムの素材は少し硬めで、ソール全体の素材は柔らかくなっています。硬度が違うんですね。大森さんがポンポン感じるところはそこの部分です。
大森:30Km以上走ってもフルクラムは異物感まったく感じないんですよね。意図的に接地の仕方を変えると転がる感じが得られるので、間違いなく機能していると感じました。
藤原:『IKONI ORTIX』は毎回進化してますね。フルクラムは変わらず、軽量化しています。『FUSION ORTIX』もその流れで、軽量化していると思いきやフルクラムはしっかりと残っているんですよね。テンポアップといいながらしっかり感を残していますね。どちらかを選ぶとなった場合は、どちらのフィーリングが好きかで選ぶのがいいと思います。
大森:『FUSION ORTIX』インターバルや距離走する方の翌日のリカバリー用のシューズでも十分に使えるのではというのとロングで使っても気持ちよく走れる感覚でした。
藤原:ドロップは『FUSION ORTIX』は6mm、『IKONI ORTIX』は8mm。重量は27cmで『IKONI ORTIX』が272gで、『FUSION ORTIX』は310g。『IKONI ORTIX』方がちょっと軽い程度で、履いた感じはさほど変わらないですね。どちらもフルクラムが搭載されているので接地感が共通点ですね。
大森:僕はかかとで着地なので、『FUSION ORTIX』の方が接地したときの安定感を感じましたね。一方、クッショニングは『IKONI ORTIX』の方がしっかり感じられました。
藤原:『IKONI ORTIX』のフルクラムはかかとの後ろまではみ出していますからね。
大森:それで安定するのですね。
藤原:カルフが初めての方には『IKONI ORTIX』はスタンダードでおすすめしやすいタイプのシューズですね。ですけど、『FUSION ORTIX』からはじめてもいいのかなというのが結論です。
大森:金額は、『FUSION ORTIX』が税込で15,400円、『IKONI ORTIX』は税込で14,300円。
まだシューズを履いたことないという方も、カルフは先進的にテクノロジーを取り入れてきて、技術的にも信頼感のあるブランドなので、お店で見かけましたら、ぜひ足を通してみてくださいね。
商品詳細
FUSION ORTIX
・価格:¥15,400(税込)
IKONI ORTIX
・価格:¥14,300(税込)
7/7(木)カルフシューズをトライオンできるグループランを開催
新宿エリアに点在する建築物を訪ねて回るランニングを仲間とともに楽しむイベント。【7-9PARK新宿御苑】との共同企画として、開園前の新宿御苑の中をランニングできる特典もあります。『KARHU』のシューズトライアルも兼ねて、新宿エリアの新しいランニングコースを一緒に開拓してみませんか。
イベント詳細
日時 | 2022/7/7(木) 受付開始 19:00 ~終了予定21:00 |
集合・解散 場所 | 〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷5-1-11 |
定員 | 20名 |
参加特典 | ・KARHUのランニングシューズの試し履き ・ランニング後 1ドリンク提供 ・新宿御苑の無料入場(新宿御苑内を走れます!) |
料金 | 無料 |
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藤原 岳久さん
F・Shokai 【藤原商会】代表
ランニングシューズフィッティングアドバイザー
日本フットウエア技術協会理事 /JAFTスポーツシューフィッター / 元メーカー直営店店長,販売歴20年以上
ハーフマラソン:1時間9分52秒(1993)
フルマラソン:2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン)
藤原商会オフィシャルサイト