プーマと契約 村山謙太選手の新たな挑戦。今後はマラソンでの活躍を目指す

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2021年12月に村山謙太選手(旭化成)が自身のSNSでプーマとの契約を発表した。

駒澤大時代に学生三大駅伝で区間賞3回(うち区間新2回)、さらに2014年の香川丸亀国際ハーフマラソンでは1時間00分50秒と、当時の日本人学生最高記録を樹立。駅伝などロードで活躍し、当時から双子の弟の紘太(当時城西大)とともに日本トップクラスの実力を持つ“村山兄弟”として脚光を浴びた。

現在、村山選手は旭化成陸上部所属の社会人7年目(29歳)で、マラソンへの強い気持ちを持っている。今回の契約を機に今後どのようにして競技と向き合っていくのだろうか。

プーマとの契約を機に「自分自身を変えていきたい」

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村山選手は旭化成でニューイヤー駅伝5区を5年連続で走り、そのうち3回区間賞を獲得するなどチームの4連覇(第61〜64回優勝)に貢献。駅伝の実績は安定しているが、一方では7回走っているマラソンの成績に本人は満足していない。

7回のマラソンのうち、2018年のゴールドコースト2位(2時間09分50秒)と2019年のベルリン9位(2時間08分56秒)で2回のサブテン。しかし、2020、2021年の2年間はマラソン完走が1度もなく、故障の時期を経験している。

今回、プーマとの契約に至った村山だが、どのような経緯、胸中だったのだろうか。

「以前レースで履いていたシューズよりもプーマのシューズはフィット感が良く、自分に合っていると感じました。今回の契約をきっかけにして、これから自分自身を変えていきたいと思っています」

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村山選手はこれまでのプーマに対して「(ウサイン・ボルト選手など)陸上短距離のイメージで、マラソンの印象がなかった」と話す。

しかし、プーマは2021年にニトロシリーズとして4種類のランニングシューズを一挙に発売。短距離用だけでなく、現在は長距離用のシューズ開発にもより一層注力している。さらに、2021-22年にかけてシューズ開発だけでなく、世界中で長距離の契約選手を増やしている。日本では村山選手だけでなく設楽悠太選手(Honda)との契約が話題になるなど、プーマランニングが長距離界に新しい旋風を巻き起こす可能性を秘めている。

今度こそ「MGCに出場したい」

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日本の男子マラソン界は、2018年に歴史が大きく動いた。2月に設楽悠太選手が東京マラソンで2時間06分11秒の日本新、同年10月には大迫傑選手がシカゴで2時間05分50秒の日本新と続き、次々と記録が塗り替えられていった。

そんな最中、東京五輪マラソン日本代表選考会『MGC(マラソングランドチャンピオンシップ)』の出場権を目指した戦いが始まっていたが、村山選手はMGCの出場資格を得られず、当時のニューイヤー駅伝で3連覇中と日本一の駅伝チームだった旭化成からも、MGCのスタートラインに立つ選手はいなかった。

それから2年半が経ち、村山選手は2月27日の大阪びわ湖統合マラソンに出場予定。優勝を目指すというよりは、MGCの出場権を確実に獲得することをターゲットにしている。

「今回はカッコよく走りたいというよりは、シンプルにMGCの出場権を獲得したいと思っています。前回のMGCは旭化成の選手がいなかったですし、チームメイトもMGCへの強い気持ちがあるので“自分も負けてられないな”と」

村山選手はこれまでのマラソン練習を見直し、これまでとは違った自分なりのエッセンスを今回のマラソン練習に加えたという。マラソン前哨戦として1月30日の大阪ハーフで1時間01分45秒の6位に入ったが、大阪びわ湖統合マラソンではどんな走りを見せてくれるだろうか。

2月6日の別府大分毎日マラソンではチームメイトの鎧坂哲哉選手が2時間07分55秒の大会新で2位に入った。旭化成の選手がMGCの出場権を獲得した今、チームの士気が高まっている。

村山謙太からみたプーマのランニングシューズ

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村山選手は使用しているプーマのランニングシューズについてこのように話す。

「普段のジョグはディヴィエイト ニトロで、距離走とロードレースではディヴィエイト ニトロ エリートを履いています」

『ディヴィエイト ニトロ』は、高い耐久性、安定性に加えてニトロフォームのミッドソールのクッション性を持つ、“誰でも履けるみんなの厚底”というコンセプトのカーボンシューズ。

「ディビエイト ニトロはクッション性が良くて疲労が溜まりにくいと感じています。また“乗れる”感じが良くて、腰が落ちていない良いジョグができています」

もう1人のプーマ契約選手である設楽悠太選手も大阪びわ湖統合マラソンへの出場を予定しているが、ロードレースではイエローカラーが印象的な『ファストR ニトロ エリート』を着用している。一方の村山選手は「大阪ではディヴィエイト ニトロ エリートの1択」と言い切る。

ディヴィエイト ニトロ エリートは村山選手がジョグで多用しているディヴィエイト ニトロのあらゆる部分を削ぎ落とした厚底カーボンシューズ。東京五輪女子マラソン銅メダリストのモリー・セイデル選手が東京五輪で着用した1足で、メンズ26.0cmで186gという軽さも特徴であるが村山選手はこのシューズを以下のように評価している。

「クッション性もありますが、程よく接地感があって安定しています。自分らしい走りの感覚を思い出すような、ディヴィエイト ニトロ エリートが自分のフォームに合っていると感じています」

マラソンランナーとして着実に一歩ずつ

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前回のMGCの出場権を獲得することのできなかった村山選手はどういった気持ちで自国開催の東京五輪を見ていたのだろうか。

東京五輪マラソン日本代表で、大学時代の同期である中村匠吾選手(富士通)には、レースが近づいていた時期にエールを送ったそう。しかし、一方では自分が五輪代表になれなかったこと、そのトライアルレースのMGCにすら出場できなかったことを恥じたという。

「だからこそ、今回のパリのMGCへの出場権は何としてでも獲りたいんです」

チームメイトの鎧坂選手だけでなく、大学時代の後輩である西山雄介選手(トヨタ自動車)や大塚祥平選手(九電工)もパリ五輪を目指してMGCの出場権を獲得した。村山選手はこれまで練習をともにしてきた仲間たちの活躍に刺激を受けていることだろう。

「大阪ではMGCの出場権以外にも自己記録の2時間08分56秒を更新したいですね」

かつては駅伝やハーフマラソンで活躍した村山選手だが、マラソンランナーとしては自分が今どれぐらいの位置にいるのかを冷静に理解している。それでも、自分自身を変えるためには着実に前進していかなければならない。

今回のレースが村山の今後のマラソンを占う試金石となるが、新たなパートナーのプーマとともに一歩ずつ、マラソンランナーとしての階段を上っていくだろう。

【プロフィール】

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村山謙太(むらやまけんた)

1993年2月23日生まれ
宮城県出身:明成高 → 駒澤大 → 旭化成
自己記録(2022年2月時点)5000m 13分34秒53(2014年)/ 10000m 27分39秒95(2015年)/ ハーフ 1時間00分50秒(2014年)/ マラソン 2時間08分56秒(2019年)

高校時に10000m28分23秒18と当時の高校歴代3位の記録をマーク。駒澤大学で東京五輪マラソン代表の中村匠吾選手(富士通)と同期。学生三大駅伝は4年間で区間賞3回(うち区間新2回:出雲3区 / 全日本4区)2014年の丸亀ハーフで1時間00分50秒と当時の日本人学生記録を樹立。その後世界ハーフの日本代表に選出される。旭化成入社後は2015年に北京世界選手権10000m22位。2018年に双子の弟の村山紘太(現GMO所属)とともに世界ハーフに出場。ニューイヤー駅伝では5年連続で5区を走りチームの4連覇に貢献。今後はマラソンでの活躍を目指す。

(文 河原井 司)

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