王者の風格。青山学院が堂々全区間1位通過の完全優勝達成!

今年も第92回箱根駅伝(東京箱根間往復大学駅伝競争)が開催されました。
1月3日は全10区間中の後半5区間となる「復路」が行われました。
往路の様子はこちら

往路は青山学院が全区間を1位で通過し完全優勝となりましたが、その差は3分程度。
追いかける東洋大・駒澤大は6区7区の早いうちに追いつきたいところ。
今年の復路はどのような展開になるのでしょうか?

時速25kmで駆け抜ける、テクニカル区間6区

6区は復路の行方を占う山下り区間。選手たちの最高スピードは時速25kmにもおよぶと言われています。20.8kmのほとんどが急な下り坂で、ラスト3kmの平地がまるで上り坂に感じるほど。平地の速さよりも、適正が重要になります。
青山学院のルーキー小野田選手が一年生史上初の58分台の快速で後続を離し、差は4分14秒に。6区7区で勝負を決めたいと話していた青山学院は計算通りの展開に。追う東洋大学・駒澤大学はルーキー相手に差を詰めたかっただけに一気に厳しい状況になりました。後続では日体大 秋山選手が区間新記録でシード権内の7位に。初出場東京国際大学は12位でまだまだ初出場初シード権獲得が狙える位置で走っています。
期待されていた早稲田大学の三浦選手が、前日練習で脚の痛みを訴えたため当日変更となりました。交代した佐藤選手は区間6位と善戦しています。

順位

1位  青山学院  06:24:26  12位  東京国際   06:38:50
2位  東洋大  06:28:40  13位  城西大   06:40:15
3位  駒澤大  06:31:59  OP  学生連合   06:40:17
4位  早稲田大  06:34:40  14位  拓殖大   06:41:23
5位  日本大  06:34:49  15位  中央大   06:41:41
6位  山梨学院  06:36:05  16位  神奈川大   06:42:43
7位  日体大  06:36:21  17位  明治大   06:44:34
8位  東海大  06:36:37  18位  法政大   06:48:30
9位  順天堂大  06:36:52  19位  上武大   06:48:57
10位  中央学院  06:37:06  20位  大東大   06:49:29
11位  帝京大  06:37:45

選手層の厚さが浮き彫りになる7区

7区は10区間中最も走りやすいと言われる区間です。
そのため、ルーキーやチームで8〜10番目あたりの選手が起用されることが多く、ここに有力選手を配置できる学校は選手層が厚いと言えます。
4年連続7区に起用された青山学院の小椋選手が、昨年に引き続き区間賞の走りでほぼ優勝を確実にしました。2位東洋大との差がここで4分52秒に広がります。この区間にユニバーシアード金メダリストの小椋選手を配置できるあたり、青山学院の層の厚さがうかがえます。
ここで、上武大が繰り上げスタートとなり白襷で出走しました。後続では7位から11位までの差が30秒以内となっていて、シード権争いも激しくなってきました。

順位

1位  青山学院  07:27:34  OP  学生連合  07:45:12
2位  東洋大  07:32:26  12位  中央大  07:46:42
3位  駒澤大  07:36:20  13位  城西大  07:46:54
4位  早稲田大  07:40:53  14位  東京国際  07:47:16
5位  順天堂大  07:41:29  15位  拓殖大  07:47:43
6位  日本大  07:41:33  16位  神奈川大  07:48:03
7位  日体大  07:42:05  17位  明治大  07:48:32
8位  山梨学院  07:42:08  18位  大東大  07:55:01
9位  中央学院  07:42:19  19位  法政大  07:55:05
10位  東海大  07:42:33  20位  上武大  07:57:34
11位  帝京大  07:43:12

優勝・シード権争いが過熱する8区

ここまで来るとレースも終盤。8区まで優勝・シード権争いに絡んでいないとそこから巻き返すのは至難です。ラスト5kmにある遊行寺の坂が最大の難所で、最後まで気を抜けません。
先頭青山学院は全く力を緩めることなく、この区間も区間賞の走りで後続を振り切ります。8区だけで東洋大学に2分の差をつけました。
昨年5区でブレーキとなってしまった駒澤の馬場選手は、区間2位の走りでリベンジを達成。復路では中央学院が順調に順位を上げています。徐々に順位を上げています。
この時点で、城西大・法政大・拓殖大・東京国際大・上武大が繰り上げスタートとなりました。

順位

1位  青山学院  08:31:55  OP  学生連合  08:51:24
2位  東洋大  08:38:58  12位  中央大  08:54:23
3位  駒澤大  08:41:42  13位  城西大  08:54:30
4位  早稲田大  08:46:22  14位  拓殖大  08:54:49
5位  日体大  08:47:42  15位  明治大  08:54:53
6位  中央学院  08:47:48  16位  神奈川大  08:54:58
7位  東海大  08:48:21  17位  東京国際  08:57:39
8位  順天堂大  08:48:24  18位  大東大  09:01:15
9位  山梨学院  08:48:51  19位  法政大  09:03:01
10位  帝京大  08:49:52  20位  上武大  09:04:41
11位  日本大  08:50:14

復路のエース区間、”強さ”が出る9区

復路の最長区間となる9区。花の2区の裏にあたり、各校復路のエースを配置してきます。ここまで来ると他校が近くにいることの方が稀なため、一人でもペースを作れる”強さ”が必要になります。
先頭の青山学院 中村のペースが上がらないものの、差は大きく終盤まで落ち着いた走りでレースを展開しました。後続は早稲田大、駒澤大、東海大が好走し前との差を詰めています。シード争いは10位帝京大と11位の日本大の差が1分以内と最終区を残して激戦に。区間賞は早稲田大の井戸選手が獲得しました。神奈川大学は目の前で繰り上げスタートとなってしまい、地元区間で涙をのむこととなりました。

順位

1位  青山学院  09:43:18  11位  日本大  10:04:04
2位  東洋大  09:49:56  12位  明治大  10:05:47
 駒澤大  09:51:31  13位  城西大  10:06:39
4位  早稲田大  09:56:09  14位  神奈川大  10:08:03
5位  東海大  09:58:21  15位  中央大  10:09:09
6位  中央学院  09:59:07  16位  拓殖大  10:09:20
7位  日体大  09:59:37  17位  東京国際  10:11:44
8位  山梨学院  10:00:25  18位  大東大  10:13:16
9位  順天堂大  10:00:51  19位  法政大  10:19:03
10位  帝京大  10:03:08  20位  上武大  10:19:22
OP  学生連合  10:03:09

218kmの締めくくり。ラストスパート勝負の10区

泣いても笑っても結果が決まる最終区間。10区の選手のラストスパート次第でチーム全体の勝敗が決まるというプレッシャーがかかります。そのため、ラストスパートに自信があり、負けん気の強い選手が配置されるケースが多いのが特徴です。
最終区間も青山学院は危なげなくレースを進め、この区間でも渡邉選手が区間賞を獲得。1区から10区まで先頭を走りきる「完全優勝」を成し遂げました。これは39年ぶりの快挙です。
追いかける東洋大学も区間3位で検討するものの差は開くばかりでした。この区間は大きなハプニングもなく、シード権を獲得した学校は各選手が区間上位でまとめました。

順位

1位  青山学院  10:53:25  11位  日本大  11:16:50
2位  東洋大  11:00:36  12位  神奈川大  11:20:07
3位  駒澤大  11:04:00  12位  城西大  11:20:07
4位  早稲田大  11:07:54  14位  明治大  11:20:40
5位  東海大  11:09:44  15位  中央大  11:21:48
6位  順天堂大  11:11:25  16位  拓殖大  11:23:54
7位  日体大  11:11:32  17位  東京国際  11:24:00
8位  山梨学院  11:11:51  18位  大東大  11:28:45
9位  中央学院  11:13:32   19位  法政大  11:31:12
10位  帝京大  11:15:21  20位  上武大  11:36:47
OP  学生連合  11:15:30

まとめ

前評判通りに進まないのが箱根駅伝ですが、今年ばかりは誰もが予想した通りの展開となりました。完全優勝を成し遂げた青山学院は、まさに「王者」として相応しい圧倒的なレース展開を見せつけた展開になりました。
すべての選手が当たり前に普段の力を出し切ることができた点が勝因と言えるでしょう。この1年間「連覇」の重圧が選手たちにのしかかる中、しっかりとこの日にあわせてきた青山学院のチームとしての強さが際立った大会となりました。
シード権争いは帝京大が逃げ切り、10位でフィニッシュ。日本大は来年予選会からのスタートとなります。

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