【サブエガ女子座談会】レース中にきつい時どうする?月間走行距離は?強くなった練習まで大公開
Sep 15, 2026 / MOTIVATION
Sep 15, 2026 Updated

フルマラソンを2時間50分未満で完走することを指す「サブエガ」。今回は、サブエガ達成経験のある女性ランナー3人が、箱に入ったさまざまな質問を引き、率直に答える座談会を行いました。
髙野温菜さんは2時間38分33秒、まかランさんは2時間40分18秒、冨井菜月さんは2時間44分54秒の自己ベストを持っています。
話題は、月間走行距離や強くなったと感じた練習、レース中に訪れる「きつさの波」、初フルマラソンの記憶など。三者三様の言葉から、それぞれのマラソンとの向き合い方が見えてきました。
サブエガ女子の練習内容
月間走行距離はどのくらい?

まずは『月間走行距離はどのくらい?』というテーマから。温菜さんは、4〜8月に月450〜550kmほど走っており、2026年5月には678kmに達したのだとか。暑い日は夜に走ったり、冷却グッズを活用したりしながら、ジョギングを中心に取り組んでいるそうです。
一方、秋以降のマラソンシーズンは、練習の強度を上げるとともに、レース前に調整期間を設けるため、月間走行距離を350〜450kmほどに抑えているといいます。
初めてサブエガを達成した際の月間走行距離は約250km。400km以上走ると身体への疲労も大きくなることから「サブエガを達成するには、月300kmほどでも十分ではないか」と話します。

菜月さんは、トレイルランニングに取り組む時期が月200〜250km、マラソンシーズンは月250〜300kmほど。それ以上の距離を走るとけがをする傾向にあるため、楽しく走れる量を大切にしているといいます。

まかランさんは、トラック種目を中心に取り組む4〜6月は月150kmほど、7〜8月は月100kmほど、そして秋ごろから月200〜250kmほどに距離を増やすそうです。
一方、自己ベストを記録したレースの前月には、月400kmを走っていたとのこと。現在は月300kmを理想的な月間走行距離として挙げつつ、練習の軸はスピードに置いていると話します。
強くなったと思う練習メニューは?

「強くなったと思う練習メニューは?」というお題では、温菜さんがLSD(ゆっくりと長い距離を走るトレーニング)を挙げました。
スピード練習に重点的に取り組んでいた時期は、フルマラソン前半を調子よく走れても、後半に大きくペースを落とすことがあったそう。そこで「レース本番と同程度の時間、身体を動かし続ける練習が必要」との考えから、約3時間のLSDを行うようになったと話します。
ペースは6:00〜7:00/kmほど。ゆっくり走るときも姿勢や使う筋肉を大きく変えず、出力をコントロールするイメージで走っているとのこと。LSDを取り入れてからレース後半の走りに変化を感じるようになったと述べます。
ただし、フルマラソン完走を目指すランナーに、3時間のLSDを一律に勧めているわけではありません。まずは走ることを習慣にし、週に1回ほど、普段の約2倍の時間を目安に身体を動かすという考え方を示しています。

菜月さんは、トレイルランニングで4〜5時間ほど身体を動かし続けたり、給水時以外はほとんど止まらずに進んだりすることで、フルマラソン後半にペースが落ちにくくなったと感じているそうです。
また、1kmを全力で走ったあと、少し休んでから8〜10kmの閾値走(ややきつい強度を一定時間維持する練習)を行うことも効果的に感じるとのこと。脚が重くなった状態で、普段なら走り切れる距離とペースに取り組み、レース後半の苦しい場面を耐える練習にしているといいます。

まかランさんが挙げたのは、4:10〜4:00/kmで15〜16kmを走る「質の高いジョギング」。週に1回ほど取り入れ、マラソン本番に近いリズムをつくっているといいます。
実際にはペース走に近い練習ですが、気持ちのうえでは“ジョギング”と捉えているそう。マラソンシーズンは、ポイント練習やロング走と組み合わせていると話します。
レース本番に考えていること
レース中、きつさをどう乗り越える?

「レース中、きつい場面をどう乗り越える?」というお題に対して、温菜さんは残りの距離を時間に置き換えて考えるといいます。たとえば残り5kmを4:00/kmで走っているなら「あと20分でゴールできる。ペースを落とせば、そのぶん長引く」と捉え、前へ進み続けるそうです。
フルマラソンでは、12〜13km付近で最初のきつさの波が訪れることも。ただ、一時的にペースが落ちても、その落ち幅を最小限に抑えて走り続けることで、再び調子が戻ることもあると話します。

菜月さんがきつさを感じることが多いのも、8〜13km付近だそう。それでも、この区間を耐えれば15km付近から走りのリズムを取り戻せることもあるため、通常の呼吸の苦しさなどであれば粘って走り続けるのだとか(※痛みやめまい、吐き気などの体調異変がある場合は、無理に走り続けないようにしてください)。
また、フルマラソン後半のきつい場面をうまく乗り越えられるようになったのは、トレイルランニングを始めてからだと振り返ります。

まかランさんは、10〜15km付近、25〜30km付近、37km付近の計3回、きつさの波が訪れる傾向にあり、とくに35km以降はどれほど調子の良いレースでもペースが落ちやすいと感じているそう。
そして、マラソンを始めて4年ほど経った頃から、きつい場面でも「ここを乗り越えれば、またペースを取り戻せる」と考えられるようになり、焦らず、あきらめずに気持ちを保つ方法が分かってきたといいます。
3人が語るマラソンの原点と魅力
初フルマラソンの思い出と、これから挑戦するランナーへのメッセージ

「初フルマラソンの思い出と、これから挑戦するランナーへのメッセージ」というお題で、菜月さんは10年ほど前に友人と参加し、約5時間38分でゴールした湘南国際マラソンを振り返ります。
そのレースでは苦しさもあったものの、大きな達成感と楽しさを覚え、マラソンに夢中になるきっかけになったそう。これから挑戦するランナーには「とにかく楽しんでほしい」と伝えます。

まかランさんの初フルマラソンは、2023年の金沢マラソン。約2時間58分と好タイムでのゴールでしたが、30km以降はあまりの苦しさに自然と涙が出たのだとか。実業団や合宿などで多くのつらい経験を重ねてきたなかでも、最も苦しいレースだったと語ります。
一方、失敗を次のレースで改善し、成長を実感することもマラソンの楽しさだと捉えているそう。初フルマラソンでは、情報を詰め込みすぎず、初めてだからこそ感じられる新鮮な気持ちを大切にしてほしい、とメッセージを送ります。

温菜さんが初めてフルマラソンに挑んだのは、2017年の東京マラソン。楽しい雰囲気に乗って4:00/kmほどのペースで走っていたところ、26〜27km付近で突然脚が重くなり、視界にも異変を感じたそうです。
ゴールタイムは約3時間3分。レース中に腸脛靱帯を痛め、2度と走りたくないと思うほど苦しかったと振り返ります。
ただし、初フルマラソンに挑めるのは生涯で1度きり。直前に負荷の高い練習を詰め込まず、これまでどおりの生活を送り、当日はわくわくした気持ちでスタートラインに立ってほしいと述べます。
お気に入りのマラソン大会は?

「一番好きなマラソン大会は?」というお題で、菜月さんが選んだのは、おかやまマラソン。2度優勝したことのある思い出深い大会で、沿道からの絶え間ない応援に魅力があると話します。
また、菜月さんは、これまで出場した地方大会の中でも比較的坂が少なく走りやすいコースだと感じるそう。

温菜さんが挙げたのは、自己ベストを記録した東京マラソン。知り合いも多く応援に訪れるため、友人や知人を探しながら走ると、ゴールまでがあっという間に感じられるそうです。
また、とくしまマラソンも、エイドや地元の方々のあたたかい応援に魅力を感じた大会だったと述べます。4週連続でフルマラソンに出場した際の最終レースで、万全ではない状態で臨んだため、次回はコンディションを整えて出たいと話します。

まかランさんは、自身が優勝と自己ベスト更新を果たしたことから、タイムを狙うなら別府大分毎日マラソン大会がお気に入りだと話します。シリアスな大会でありながら、スタート直前にはランナー同士が「みんなで頑張ろう」と声を掛け合うのだとか。同じような目標を持つランナーとの会話を通じてそれぞれが積み重ねてきた努力を感じ、士気が高まったそうです。
一方、「ファンランとして楽しむなら、ふくい桜マラソンがおすすめ」と述べるまかランさん。自身の地元・福井県で開催されることに加え、エイドで提供される名産品を味わえることにも魅力を感じているといいます。

サブエガという同じ壁を越えた3人ですが、練習の積み重ね方やレースでの考え方はさまざま。走る距離やメニュー、苦しい場面での対処法も、それぞれが経験を重ねるなかで形づくられてきたものでした。3人の率直な言葉には、これからの練習やレースを考えるヒントが詰まっているのではないでしょうか。
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