アディダス『ADIZERO ADIOS PRO EVO 1』徹底解説! 史上最軽量の厚底レーシングシューズの性能に迫る

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2023年9月、アディダスが発表した衝撃のスーパーシューズ『ADIZERO ADOIS PRO EVO 1』。アディダス史上最軽量のレーシングシューズとして、世界中のレースでアスリートが着用。税込82,500円という価格ながら、発売されるたびに即完売が続く話題のシューズとなっています。

誰もが気になるシューズをRuntripお馴染みのシューズアドバイザー・藤原岳久さんが満を持して解説します。藤原さんは多くのシューズブランドを渡り歩き、シューズ販売に携わった期間は20年以上。47歳でマラソン自己ベスト2時間34分28秒を出し、現在も走るシューズアドバイザーです。

規格外の軽さを実現した厚底レーシングシューズ

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(左から)ラントリップ代表・大森、シューズアドバイザー・藤原岳久さん

大森:ついにきました。アディダスの『ADIZERO ADIOS PRO EVO 1』です。定価が8万円を超える噂のシューズですが、持ってみると本当に軽いですね。

藤原:公式では138g(27.0cm)ですが、僕のサイズだと119gでした。

大森:とんでもない軽さですね。

藤原:実業団や大学駅伝の選手の間では「これを履けば早く走れる」「アイツが履くなら、オレも履かなきゃいけない」というような、以前のヴェイパーフライと同じ現状が起きていますね。

大森:懐かしいです。

藤原:アディダスの戦略がうまく効いているというか、マーケティングの巧みさも感じますね。

大森:実際にシューズの特徴を見ていきたいと思います。

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藤原:特徴を一言でいうと「軽さ」です。軽いのにちゃんと厚底レーシングシューズになっています。このシューズを履くとエナジーリターンが高まると言われていますが、これはおそらくトップ選手とのコラボレーションが必要だと思います。実際に走ってみましたが、僕とのコラボレーションではエナジーリターンを感じにくい印象でした。

大森:そうなんですね。

藤原:軽さの良さが得られるほどのスピードが必要です。また厚底レーシングシューズのフォーム材は発泡させてから圧縮成形するのですが、本シューズは圧縮の工程を施さない非圧縮成形型となっています。

圧縮して密度を増すことで重さは出ますが、製品の性能は安定します。だから、こちらはシューズによって個体差もあるんじゃないでしょうか。

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大森:膨らませたものを圧縮ないことで、とにかくよいものをつくろうという意識を感じます。ただ耐久性が心配です。

藤原:やはり耐久性は低く、着用するなかでへたりは出ます。だけど、そのデメリットを上回るほどに軽いです。

大森:耐久性以上のリターンがあるのですね。

藤原:厚みはリミットぎりぎりの39mmであり「厚みは最大、けれど軽い」というシューズに仕上がっています。

大森:アッパーも中が透けて見えるくらい薄いですね。

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藤原:『LIGHTWEIGHT MESH』アッパーですね。ソックスの色もしっかり見えちゃいますが、フィット感はすごく良いですね。

ボトムを見るとインソールが入っていません。多くのシューズはインソールが張りつけられていますが、本シューズはとてもミニマムな仕上がりです。

大森:アウトソールも特徴的ですよね。

藤原:素材を溶かして、表面に垂らすといった工程で制作していると推察できます。

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大森:確かに筆で塗ったような仕上がりですね。

藤原:素材を貼るという工程ではないでしょうね。

大森:機能というより、ここも「軽さ」重視ですか。

藤原:海外の選手では一部、コンチネンタルラバーに変えている選手もいました。

シューズアドバイザーが感じた意外な走り心地

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藤原:履いてみたんですけど、ミッドソールが硬いと感じる人も多いかもしれません。どちらかというと弾力がある感じですかね。

大森:それは意外ですね。

藤原:『ADIZERO ADIOS PRO 4』の方が柔らかさがあり、リズムがとりやすいです。EVO 1の方がしっかりとした硬度があります。ただクッションは履いた瞬間にしっかり感じます。

大森:走り出すと硬いと感じたんですか。

藤原:エナジーロッドのプレート感があります。蹴り出しの跳ね上げが強く来るのが特徴ですね。

大森:確かに良く見ると、前足部の跳ね上がりもすごいですよね。

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藤原:極論を言うと薄底に感じるくらいの接地感がありますね。まだ1回しか履いていませんが扱いづらさもあるかなと思います。

大森:速いスピードで走らないと使いこなせないということもありそうですね。

藤原:プレートの存在をすごく感じました。アディオスプロ4の方が使いやすさはありますね。

大森:実際にどのように使えば良いんでしょうか。

藤原:軽さのメリットがどれくらいあるのかを考えたら良いと思います。私も慣れれば5㎞といった短い距離のランニングだとメリットがあるのかもしれませんし、もしかしたら長い距離の方が良いのかもしれません。

跳ね上げが強いので、使う人によってはすごく威力を発揮しそうです。ただ足を地面に置き転がすように回転させる走法の方は、難しさもあるかもしれません。

大森:ぜひ長い距離でのレビューも聞いてみたいですが、いずれにしても歴史に残る1足になりそうですね。

***

軽さ、耐久性、走行性能、価格など、どれをとってもランニングシューズ界を揺るがす規格外のレーシングシューズは、1年以上の時を経ても話題に尽きません。まだまだ入手困難ですが、1度は走ってみたい一足ですね。

詳細情報

アディダス|ADIZERO ADIOS PRO EVO 1

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価格:¥82,500(税込)

アディゼロシリーズ公式ページはこちら

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藤原 岳久さん
FS☆RUNNING(旧藤原商会)代表
ランニングシューズフィッティングアドバイザー
日本フットウエア技術協会理事 /JAFTスポーツシューフィッター / 元メーカー直営店店長,販売歴20年以上
ハーフマラソン:1時間9分52秒(1993)
フルマラソン:2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン)

FS☆RUNNINGオフィシャルサイト

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