アディダスのランニングシューズ『ADISTAR』最新2モデルを徹底比較! 新登場・BYDは“贅沢の限りを尽くした”シューズ!?
Oct 09, 2024 / SHOES
Oct 09, 2024 Updated
アディダスのデイリートレーナーモデル『ADISTAR(アディスター)』シリーズから、新たに『ADISTAR 3(アディスター スリー)』『ADISTAR BYD(アディスター ビヨンド)』が登場。同ブランドでは『ADIZERO(アディゼロ)』、『SUPERNOVA(スーパーノヴァ)』に次ぐラインナップとして、今後のマラソンシーズンでの活躍が期待されます。
そんな注目のモデルをRuntripお馴染みのシューズアドバイザー・藤原岳久さんが徹底解説します。藤原さんは多くのシューズブランドを渡り歩き、シューズ販売に携わった期間は20年以上。47歳でマラソン自己ベスト2時間34分28秒を出し、現在も走るシューズアドバイザーです。
低ドロップスタイルのデイリートレーナー2足
大森:今回はアディダスの『ADISTAR 3』と『ADISTAR BYD』の2足を紹介します。
藤原:アディダスといえばレーシングスタイルの『ADIZERO』や、デイリートレーナーとして新たに出ている『SUPERNOVA』のシリーズが有名ですよね。このシリーズに注目している人はまだまだ少ないかもしれません。
大森:好きな人はいるけど、多くのランナーに浸透しているかというとまだまだですよね。
藤原:デイリートレーナーとして比べるとSUPERNOVA RISEが10mmドロップであることに対して、ADISTAR 3は5mm、ADISTAR BYDは6mmといった低ドロップスタイルになっています。
アディダスはADIZEROだけじゃなく、デイリートレーナーもかなり充実してきているので注目ですね。
クッションの柔らかさが向上した『ADISTAR 3』
大森:まず『ADISTAR 3』を見ていきたいと思います。
藤原:ADISTAR 3は非常に安定感があります。重量は275gと重めですが、前作よりは軽くなっています。クッションは「ザ・スタビリティモデル」として硬めだった前作と比べて、非常に柔らかくなっています。
大森:ADISTARはこれまで『REPETITOR』ミッドソールを採用しています。今作では色が違う部分でミッドソールの硬度を変えているんですね。
藤原:そうですね。クッション感を増して、より多くのランナーが快適に履くことを考えられたのだと思います。
大森:履き心地はいかがですか。
藤原:シューレースのループにも工夫がされていますし、かかともしっかりしているので、足入れも非常に良くなっています。
「BEYOND(ビヨンド)」を体現する豪華なニューカマー
大森:続いて、『ADISTAR BYD』です。
藤原:BYDはADISTAR 3を豪華にしたシューズという印象ですね。
大森:ビヨンドは「その先へ」ということですから、まさにそれを表していますね。
藤原:シュータンも薄くなっており、アッパー全体としてレーシングスタイルに近くなっています。
大森:ミッドソールは厚底レーシングシューズにも採用されている『Lightstrike Pro』を使用していますね。
藤原:はい、ミッドソールの上層部に入れています。レーシングモデルに使う反発弾性の高い素材を、デイリートレーナーに入れてくるスタイルが主流になっていますね。
大森:下層部にはADISTAR 3とは違った素材の『REPETER 2.0』を使用しています。
藤原:どちらもベースは一緒で似た素材でありますが、さらに安定要素が盛り込まれた素材と言えるでしょう。
大森:2つのミッドソール素材の間に使われている素材はなんでしょうか。
藤原:こちらはカーボンが注入された『Distance Drive プレート』であり、これがシューズの外側に沿うよう「ドーナツ状」に配置されています。
大森:他ブランドと同様にプレートがシューズの全面に入っているのかと思っていました。
藤原:ドーナツ状のプレートによって接地が安定するように良い仕事をしています。この3つのパーツに加えて、アウトソールは耐久性に優れた『コンチネンタルラバー』を使用。贅沢の限りを尽くしているシューズでしょう。
大森:枠にプレートを入れるという発想はすごいですよね。本当にアディダスの技術をふんだんに入れているなと思います。
大森:この2足はどんなランナーにおすすめですか。
藤原:ADISTAR 3は前作とフィーリングがかなり変わりましたね。今までのシリーズを履いていた方は、ぜひ履いてみてほしいですね。
ADISTAR BYDを履くと、やはりLightstrike Proの反発性を感じます。少し速いペースで走るとすごく前に進みますね。スタビリティを効かせながらも、気持ち良く走れる感じがします。
大森:どちらもスタビリティが欲しいけど、硬さが気になるというランナーにはすごく良さそうですね。
藤原:そういう方にはぜひ履いてみて欲しいですね。
***
デイリートレーナーモデルとして進化した『ADISTAR』シリーズは、今後アディダスのラインナップの中でより注目を集めそうです。気になる方は藤原さんのレビューを参考にしてみてください。
詳細情報
アディダス|ADISTAR 3
・価格:¥17,600(税込)
アディダス|ADISTAR BYD
・価格:¥22,000(税込)
【動画からご覧になる方はこちら】
あわせて読みたい
藤原 岳久さん
FS☆RUNNING(旧藤原商会)代表
ランニングシューズフィッティングアドバイザー
日本フットウエア技術協会理事 /JAFTスポーツシューフィッター / 元メーカー直営店店長,販売歴20年以上
ハーフマラソン:1時間9分52秒(1993)
フルマラソン:2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン)