【ナイキ】「ヴェイパーフライ 3」がついに登場。2年ぶりにアップデートされた厚底レーシングシューズの進化をレビュー

May 23, 2023 / SHOES

May 23, 2023 Updated

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トップ選手から市民ランナーまで絶大な支持を集める厚底カーボンプレートシューズのパイオニア、ナイキ『ヴェイパーフライ』シリーズが2年ぶりにアップデート。

誰もが気になる進化のポイントをRuntripおなじみのシューズアドバイザー・藤原岳久さんが徹底解説します。藤原さんは多くのシューズブランドを渡り歩き、シューズ販売に携わり20年以上。47歳でマラソン自己ベスト2時間34分28秒を出し、現在も走るシューズアドバイザーです。

スーパーシューズの王者が待望のアップデート

「【ナイキ】「ヴェイパーフライ 3」がついに登場。2年ぶりにアップデートされた厚底レーシングシューズの進化をレビュー」の画像 — （左から）ラントリップ・大森、シューズアドバイザー・藤原岳久さん

大森：いよいよナイキの『ヴェイパーフライ 3』が登場です。発売を楽しみにされていた方も多いんじゃないでしょうか。

藤原：2年ぶりのアップデートですからね。2017年に初代モデルが登場して、速く走る概念を変えてしまったシューズの最新作が満を持して登場したわけですから楽しみですね。

大森：率直に藤原さん的にはこのアップデートはいかがですか。

藤原：いろいろと賛否があるかもしれないけど、個人的には好きですね。もっといろんな人がシンプルに履きやすくなったと思います。

大森：それは楽しみですね!

前作から大きくアップデート

大森：それでは前作からアップデートされたポイントを見ていきたいと思います。

藤原：まずはクッション感ですね。アウトソールはよりミニマルにして薄くしてますが、その分厚みは変わっていないのにクッショニングフォームを増やしている。全体のクッション感が今までと全く違います。

非常にソフトなフィーリングで、初代の『エアズームアルファフライネクスト%』のようなバウンド感がありますから、アルファフライが好きな人は今回の方が気に入るかもしれません。

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大森：推進力という点ではいかがでしょうか。

藤原：クッション感が増えたせいか強いプレート感はなくなりましたね。前作まではカーボンプレートの効果でガンガン前へ行くガイドがあり、エリートランナーが履くシューズというイメージがありました。そのため、キックを生かして走る履き心地は前作の方が強くて、僕も短い距離では良いタイムで走れるのは前作かなと思います。

それからすると違和感があるくらい変わっていますが、ポジティブに捉えるとクッション性が高められました。跳ねる感触がありながらも自然な推進力があると思います。

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大森：蹴っていくというより自然に足を置くだけで進む感覚ということですか。

藤原：プレートを使ってガンガン蹴って進んでいく印象はないですね。

大森：あと前作より8g（28.0cm）ほど軽くなっていますよね。

藤原：アッパーは非常にミニマルですよね。

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大森：確かに見た目でも穴が空いていて、軽そうだと感じますね。

藤原：シングルメッシュで柔らかいからフィット感は前作よりゆったりしていると思います。ミッドソールは厚みを増やして意匠をかなり工夫しています。前足部はプラットフォームを広げて安定感が出ていますが、中足部はかなり絞っています。削るところと増やすところの足し算引き算がうまくされているなって思います。

大森：プラットフォームが広くなって接地安定感は良くなっていそうですね。

ヴェイパーフライ初挑戦のランナーにも最適

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大森：前作だと他ブランドのスーパーシューズと比べて横揺れがあり、好きなランナーもいれば、使いこなせないという人もいました。このあたりはいかがでしょうか。

藤原：確かに揺れ感は小さくなりましたね。前作のように履いてすぐ揺れるというより、走っているとバウンドして揺れるので自由に履きこなせます。

大森：より多くのランナーに使ってもらえそうですね。

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藤原：前作は短い距離で速く走れるので気に入って使っていましたが、ロングレースならヴェイパーフライ 3を選びます。もちろん、フルマラソンではランナーのレベルを選ぶ部分がありますが、短いレースでは楽しんで走れるシューズだと思います。

大森：やはり、自分に合った距離で使うのが大切ですね。

藤原：もし初めてヴェイパーフライを履くというランナーがいれば、これを選んで欲しいですね。

大森：前作ではなく、こちらを選んだ方が良いのでしょうか。

藤原：迷わずこちらですね。もちろん前作が好きだった方にもおすすめです。最初は違和感があるかもしれませんが、それがプラスの要素になることもあると思うのでトライしてみてほしいです。

市民ランナーなら1度は履いてみたいと憧れる『ヴェイパーフライ』最新作。自分のレベル、走る距離に合わせて試してみてはいかがでしょうか。

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