【プーマ】新作厚底シューズ「ファスト フォワード ニトロ エリート」は5〜10kmレースにおすすめの一足
Jun 10, 2023 / SHOES
Jun 10, 2023 Updated
プーマから新たに発売されたモデル『ファスト フォワード ニトロ エリート』。その独特な形状に目を引かれますが、実際にどんな走り心地なのか気になっているランナーも多いはず。
こちらを今回もRuntripお馴染みのシューズアドバイザー・藤原岳久さんが徹底解説。藤原さんは多くのシューズブランドを渡り歩き、シューズ販売に携わり20年以上。47歳でマラソン自己ベスト2時間34分28秒を出し、現在も走るシューズアドバイザーです。
前後が反り上がった特殊形状の一足
大森:今回はプーマの『ファスト フォワード ニトロ エリート』を紹介したいと思います。非常に形状が特徴的なシューズで、つま先とかかとが反り上がっていますが、こちらはどういったシューズになるでしょうか。
藤原:本当に特徴的な形状ですよね。横から見ると外側だけじゃなく、内側もすごく絞ってありますよね。アッパーはモノメッシュアッパーでスパイクと同じく極限まで薄くして通気を良くしたものに、パワーテープで要所を補強したミニマルな作りになっていると思います。かかと部分にはヒールスポイラーがついていて安定するようにしています。
大森:プーマには『FAST-R ニトロ エリート』や『ディヴィエイト ニトロ エリート 2 EKIDEN』がレーシングシューズとしてありますけど、それらと比較するとどうでしょうか。
藤原:そちらはバウンドが非常に大きいですが、そういう感じではなくて、比較的反発を抑えた作りになっていると思います。同じようにパワープレートは入っているんですけど、反発というよりは常に前足部で接地する動きをさせてくれる感じですかね。見た目よりはシンプルな履き心地だと思います。
大森:見た感じだとそこまで薄底感はありませんよね。
藤原:それでもどちらかというとレーシングフラットのような薄底の履き心地がありますよ。
それぞれのMAXスピードを出すシーンにおすすめ
大森:使用シーンはやはりスピードを求める時ですか。
藤原:自分の中でMAXのスピードを出す時に使いやすいかなと思います。速めのペースでのインターバル走やペース走とか、人によってはスパイクを履くこともあると思いますけど、そういった時に使ってみると良いんじゃないでしょうか。
大森:それはどのあたりから感じますか。
藤原:スピードが出てるときはかかとで接地する人はあまりいなくて、前傾してつま先接地になると思いますが、前足部で接地すると自然なフラット着地のような感覚があって非常に気持ち良いですね。
大森:足の回転が上がりそうなイメージもありますね。
藤原:5km、10kmのレースとか短い距離のレースには向いていますね。あとはインターバルとかのワークアウトにも使ってほしいと思います。
大森:他のブランドから出ているレーシングフラットシューズとも履き比べてもらうのも良さそうですよね。
藤原:そうですね。アディダスの『ADIZERO TAKUMI SEN 9』やニューバランスの『FuelCell SuperComp Pacer』、あとナイキの『ズームX ストリークフライ』あたりのネオレーシングフラットシューズとも比較しても良いですね。プレートが入っているという点ではFuelCell SuperComp Pacerが近いですが、こちらの方が前足部で接地するとフラットな感じになりますね。
大森:ジョグタイプではなさそうですね。
藤原:やっぱり速いペースで走ることで良さを感じられるシューズだと思います。こういった他ブランドから出ている同じカテゴリーのシューズともまた違った良さがあると思うので、気になる方は試して欲しいですし、プーマ好きのランナーはぜひとも履いて欲しいですね。
5kmや10kmのショートディスタンスのレースが増えるこれからの季節や、日頃のトレーニングでスピードを上げたい時にぜひシューズ選びの候補にしてみてはいかがでしょうか。
詳細情報
プーマ|ファスト フォワード ニトロ エリート
・価格|¥26,400(税込)
藤原 岳久さん
FS☆RUNNING(旧藤原商会)代表
ランニングシューズフィッティングアドバイザー
日本フットウエア技術協会理事 /JAFTスポーツシューフィッター / 元メーカー直営店店長,販売歴20年以上
ハーフマラソン:1時間9分52秒(1993)
フルマラソン:2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン)