フィンランド発・カルフの新作「MESTARI RUN」はカルフらしさと時代のテクノロジーが融合したランニングシューズ
Sep 29, 2023 / SHOES
Sep 29, 2023 Updated
本格的なマラソンシーズンが迫るなか、この秋にフィンランド発のシューズブランド『KARHU（以下、カルフ）』から新たに『MESTARI RUN』が登場しました。
そこで本記事では東京・千駄ヶ谷にある『KARHU TOKYO』から、同モデルのレビューをお届けします。解説はRuntripおなじみのシューズアドバイザーの藤原岳久さん。藤原さんは多くのシューズブランドを渡り歩き、シューズ販売に携わり20年以上。47歳でマラソン自己ベスト2時間34分28秒を出し、現在も走るシューズアドバイザーです。
時代を先取りしてきたフィンランドの老舗ブランド「カルフ」
大森：今回は東京・千駄ヶ谷にあるKARHU TOKYOを訪れています。紹介するシューズはカルフの『MESTARI RUN』です。以前、シューズにデザインされたMのマークはフィンランド語で『チャンピオン』を意味する“MESTARI”が由来だと紹介しましたが、いよいよその言葉が入ったランニングシューズが登場しました。
藤原：MESTARI RUNは全く新しいモデルで、こちらが1代目。カルフはまだまだ知らないという方もいるかもしれませんが、突然登場したブランドではなくて、しっかりとアスリートが功績を挙げてきた実績のあるブランドです。
ハンネス・コーレマイネンやパーヴォ・ヌルミといった長距離種目でオリンピック金メダルを獲得したフィンランド人選手たちが愛用したシューズブランド。往年の長距離種目では、「トラックといえばカルフ」だったんです。
大森：時代の先取りをしていたんですね。
藤原：各ブランドのテクノロジーを先取りして開発していて、いわゆる早すぎるブランドでした。そのブランドが今回出したこのモデルは、カルフらしい良さとトレンドの両方を掴んだ作りになっています。
カルフらしさと最新テクノロジーを融合
大森：それではMESTARI RUNの特徴を詳しく見ていきたいと思います。
藤原：ミッドソールは『エアロフォームミッドソール』といって臨界発泡させたスーパークリティカルフォーム。そのため、クッション性を持たせて厚くなったのにもかかわらず、しっかりとした安定感を感じます。重さが300g（340g/ 27.0cm片足）を超えるため、当然速く走るためのシューズではないですが、ロングランなどのゆっくり走る動きを助ける機能が備えられています。
大森：だいぶクッション性が高いと感じていましたが、安定性も良いですね。
藤原：このニットアッパーも足入れ感が非常に良いと思います。アウトソールのラバーもしっかりと配され、耐久性の高さが伺えます。
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- 足入れ感に優れたニットアッパー
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- ラバーを多くした耐久性高いアウトソール
大森：様々な要素でランナーに寄り添ってくれるランニングシューズですね。
テコの原理を生かしたカルフの代名詞「フルクラム」
藤原：また、カルフといえばフルクラムテクノロジーですよね。
大森：中足部に位置する逆三角形のパーツが入っていて、テコの原理の動きをしてくれるんですよね。
藤原：そうです。同じカルフの『IKONI 2.0』や『FUSION 3.5』と比べると、MESTARI RUNはロッカーというより接地安定感があり、常に前足部で足をつけている感じがいいと思います。
大森：以前はフルクラムが露出していて、外から見えるデザインでしたが、今作は完全に内蔵された作りですね。
藤原：フルクラムが中に入った影響もあるのか、マックスクッションの印象が強く、ロッカーは自然に効いている印象を受けました。
大森：確かにそんな感覚がありますね。グイっと前に行くよりクッションを非常に感じます。
藤原：300gを超えるシューズですが、なんといってもチャンピオンの意味を持つシューズ。速く走るランナーにもジョグで履いてもらいたい履き心地です。ある程度重さがあるシューズをジョギングで使うことで、どの位置で足を落とし、どこで上げるかというのはフォームを意識する上で大切な要素。このシューズは足を落とすときに楽できる感覚がありますよ。
大森：フルクラムといえば後足部から転がすような走り方がフィットしているイメージでしたが、MESTARI RUNに足を通してみると中足部での接地がフィットしている感覚が強かったです。
藤原：そういう感覚は大事なので、特にLSDをするにはおすすめだと思います。
レベル問わず誰もが楽しめる一足
大森：これからマラソンシーズンを迎えるのでレースシューズに注目される方が多いと思うんですけど、あえてランニングフォームに着目してこういったシューズを使ってみるのもいいですね。
藤原：そうですね。マラソンを完走するシューズとしておすすめなのはもちろんですが、誰もがフォームを意識してトレーニングするときに強い味方になってくれるシューズだと思います。
大森：シューズのラインナップにぜひ入れてほしい一足ですね。
藤原：このシューズをきっかけにカルフのランニングシューズを気に入ってもらえたら、次はFUSION 3.5をはじめ他のタイプのランニングシューズを試したり、履き分けたりするとランニングの幅が広がっていきます。
大森：FUSIONシリーズは比較的、接地安定感を感じるシューズですよね。それに比べてMESTARI RUNはよりクッションを感じられるので、確かに使い分けにおすすめですね。
そして、ランニングシューズを1回は履いてから購入したいという方も多いですよね。KARHU TOKYOでは毎月第3金曜日にグループランも開催していますので、イベントに参加して試し履きすることもできます。KARHU TOKYOインスタグラムで告知していますので、ぜひチェックしてみてください。
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まだカルフのランニングシューズを履いたことがない方はもちろん、別のモデルを使っているというランナーにも、今回のレビューは参考になったはず。購入前のトライアル機会もありますので、MESTARI RUNを体感してみてはいかがでしょうか。
詳細情報
カルフ｜MESTARI RUN
・価格：￥19,800（税込）
KARHU TOKYO
2022年に東京・千駄ヶ谷にオープンしたカルフブランド国内初の体験型ショールーム。日本国内で発売中のすべてのラインアップをサイズフィッティングすることができ、毎週第３金曜日にはグループランも開催中。
・住所｜東京都渋谷区千駄ヶ谷5-1-11 IVY WORKS M2F
・営業日時 ｜月・木～日の12:00-19:00
・定休日｜ 火・水
公式サイトはこちら
KARHU公式インスタグラム
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藤原 岳久さん
FS☆RUNNING（旧藤原商会）代表
ランニングシューズフィッティングアドバイザー
日本フットウエア技術協会理事 /JAFTスポーツシューフィッター / 元メーカー直営店店長，販売歴20年以上
ハーフマラソン：1時間9分52秒（1993）
フルマラソン：2時間34分28秒（2018年別府大分毎日マラソン）
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