【ホカ】「MACH X」は新カテゴリー“スーパートレーナー”!?デイリートレーナーとスーパーシューズが融合した一足
Aug 23, 2023 / SHOES
Jun 25, 2024 Updated
この夏、ホカのランニングシューズラインナップに新たに加わった『MACH X(マッハ X)』。人気モデルの『MACH』シリーズに、プレート搭載を意味する『X』が付けられた注目のモデルを、Runtripおなじみのシューズアドバイザーの藤原岳久さんが徹底解説!
藤原さんは多くのシューズブランドを渡り歩き、シューズ販売に携わり20年以上。47歳でマラソン自己ベスト2時間34分28秒を出し、現在も走るシューズアドバイザーです。
MACHらしさを残した新型プレート搭載モデル
大森:これまでプレートを搭載していなかったMACHシリーズに、プレート搭載モデルのMACH Xが登場しました。藤原さん、こちらはどんなシューズでしょうか。
藤原:まずホカの場合、モデル名に『X』が付いているとプレートが搭載されていることを表します。一方、MACH 5はアウトソールのラバーを排除した作りが特徴的で、2層のPROFLY+™構造になっています。反発性が魅力のこのシューズにはファンも多く、軽量で接地感がありペース走などで履きたい一足です。
大森:確かにMACH 5は軽量で履きこなしやすい一足ですよね。
藤原:これまでプレートが入っていないことが魅力だったので、MACH Xが発表されたときは「プレートを入れるの?」と感じました。しかし、1度走ってみると絶妙に『MACH感』が残っているんです。重量はMACH 5より少し重くなりましたが(MACH 5が235g/ MACH Xが266g)、よりテンポアップに使いやすい履き心地だと感じました。
大森:どのあたりにMACH感を覚えましたか。
藤原:今作はミッドソールの上層部に反発性の高いPEBAフォームを採用していますが、『ROCKET X 2』で採用された軟質で反発弾性が高いPEBAフォームです。一方、下層部は接地安定感を求めたEVAフォームを使用している2層構造。この上下で異なる性質のソールが同居していて、ソフトな弾力と接地感が両立している点にMACHシリーズらしさを感じました。
大森:プレートを搭載しているXの部分についてはどうでしょうか。
藤原:今作はカーボンプレートではなく、しなりを感じるPebax®プレートを搭載しています。ホカの従来モデルのような転がるイメージというよりは、ソフトな接地感と前足部で跳ねる感覚。このあたりもMACHらしさを残してくれていると思いますね。
大森:アッパーはしっかりとしていますよね。
藤原:エンジニアードジャガードメッシュで、『CLIFTON 9』のようなしっかりとしたアッパーに作られています。ヒールは少し丸みを帯びた、デイリートレーナーのような要素も持ち合わせていますね。
幅広い可能性を持つ「スーパートレーナー」
大森:使い途としては、どのようなランナーにおすすめですか。
藤原:色々な使い方がありそうで、ジョギングからテンポアップまであらゆるトレーニングに使えます。カテゴリーを分けるのが非常に難しく名付けるとしたら『スーパートレーナー』。スーパーシューズとデイリートレーナーの特徴を兼ね備えています。MACHシリーズの中での使い分けとしては、MACH 5でトレーニングを積んで、MACH Xでレースに出るという使い方もできそうですね。
大森:ROCKET X 2をレース用としている方は、トレーニングにMACH Xを使うとレーシングシューズを使いこなす練習にもなりそうです。
藤原:良いと思います。ROCKET X 2の反発力は非常に大きいですから、使いこなせるか不安というランナーはMACH Xを使うと良いでしょう。初めてのレース用シューズを探しているランナーもMACH Xを試してもらいたいです。
大森:藤原さんは、このシューズをどのようなシーンで使用しますか。
藤原:ペース走のような、レースペースよりは少し余裕のあるペースで使います。自分の足で蹴るような接地感はPebax®プレートならではの感触だと思います。
大森:トレーニングが楽しくなる履き心地ですね!解説していただきありがとうございました。
既存モデルの良さを残しつつ、新たなテクノロジーを搭載した『MACH X』。日頃のトレーニングやマラソンシーズンの勝負シューズとして試してみてはいかがでしょうか。
詳細情報
ホカ|MACH X
・価格:¥30,800(税込)
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藤原 岳久さん
FS☆RUNNING(旧藤原商会)代表
ランニングシューズフィッティングアドバイザー
日本フットウエア技術協会理事 /JAFTスポーツシューフィッター / 元メーカー直営店店長,販売歴20年以上
ハーフマラソン:1時間9分52秒(1993)
フルマラソン:2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン)