ブルックスの注目シューズ『Glycerin MAX』にシューズアドバイザーも絶賛！　新素材“DNA Tuned”が自然な走り心地をサポート

アメリカで高い人気を誇り、日本でも使用者が年々増えているブルックスから、新たなミッドソール素材『DNA Tuned』を搭載したMAXクッションモデル『Glycerin MAX（グリセリンマックス）』が登場。ミッドソールの厚みが目を引く今作にはどのような機能を秘めているのか、発売を楽しみにしているランナーも多いのではないでしょうか。

そんな注目シューズを今回もRuntripお馴染みのシューズアドバイザー・藤原岳久さんが徹底解説します。藤原さんは多くのシューズブランドを渡り歩き、シューズ販売に携わった期間は20年以上。47歳でマラソン自己ベスト2時間34分28秒を出し、現在も走るシューズアドバイザーです。

人気シリーズ『Glycerin』からMAXクッションモデルが登場！

大森：今回はブルックスの『Glycerin MAX』を紹介します。名前の通り『Glycerin（グリセリン）』のMAXクッションモデルであり、最大で45ｍｍのスタックハイトを誇る、かなり分厚い一足です。

藤原：今は「MAX」が付く品番が増えてきましたが、本シューズのポイントは6ｍｍドロップであること。ドロップが低いとソールは前側も厚くなりますので、使用する素材の量が多くなります。まさにクッション性が「MAX」ということです。

大森：なるほど、そういうことですね。

藤原：もう1つ「Glycerin」の名が付いていることにも注目です。今作は『Glycerin 21』とセットで考えることのできるシューズでしょう。Glycerin 21は10mmドロップで下り坂のような形状、MAXは6ｍｍドロップのロッカースタイル（ゆりかごのような船底状）という違いがあります。

藤原：ブルックスでは『Ghost』シリーズにも、12mmドロップの『Ghost 16』、6mmドロップの『Ghost MAX』の2種類があります。Glycerin MAXとGlycerin 21も似た関係性です。

新ミッドソール素材『DNA Tuned』を搭載！

藤原：Ghostシリーズはブルックスの中心となるシューズでしょう。それに対してGlycerinは常に新しい技術が搭載されているシューズです。Glycerinに搭載された機能がGhostの次世代モデルに使われるというような流れが多くなっています。

大森：Ghost 16もミッドソールにGlycerinに搭載された『DNALOFT v3』を搭載していますよね。

藤原：そうですね。Glycerin 21と同じ素材になりました。そのため新たな機能を搭載したGlycerin MAXが登場したのでしょう。

大森：本シューズに採用されているミッドソール素材『DNA Tuned』は2段階の射出成型と超臨界発泡技術によって作られている、ブルックス独自のフォームです。

藤原：これはすごい技術ですね。昨今のシューズでも素材を発泡させる超臨界発泡技術は用いられていますが、本シューズをよく見るとすごく気泡が見えないほど細かくなっています。さらに黄色と白色の部分で、硬度と性質が違います。

大森：単なるデザインではなく、性質にも違いがあるんですね。

藤原：黄色い部分は反発を生む素材、白色は安定感を生む素材となっています。

大森：2層構造になっているということですか。

藤原：加えて異なる性質の素材をシームレスで作っているため、まるで1つの素材だけを採用しているような自然な履き心地となっています。

近年の目覚ましい技術進化を象徴するシューズ

藤原：ランニングシューズ業界の進化は1970年代から続いてきていますが、これまでシューズに搭載されてきたフォームは『EVA』ばかりでした。それが今では射出成型とか超臨界発泡といった新しい技術がどんどん生まれてきており、急激に進化していますね。

本シューズも300g（27.0cm片足）と重量はありますが、5、6年前ではこの重量でMAXクッションモデルは作れなかったと思いますよ。

大森：確かにこの見た目で300gは意外ですよね。

藤原：これだけ厚みを出して、プラットフォームを広げても、これほどの重さに抑えられる……。まさに技術の進化を感じます。

45mmのスタックハイトというのは、厚みのルールが無縁の市民ランナーにとっては、クッションとスタビリティ（安定性）をシンプルな形で享受できるシューズだと思います。これまでスタビリティモデルの主流だった内側に硬いパーツや異素材を入れる製法が終焉する……。そんな時代が来るのかもしれませんね。

またプラットフォーム（シューズの接地面）も広いので、安定感は十分に感じることができるでしょう。

大森：自分の足よりも幅が広くなってますね。

スーパーシューズ慣れをしているランナーにもおすすめ！　快適なジョギングを演出

大森：本シューズを履き、走ってみた感覚はいかがですか。

藤原：まさに昨今のトレンドとなっているＭAXスタビリティ&MAXクッションを感じるシューズでした。

大森：スタビリティも感じますか。

藤原：プラットフォームが広いですから、スタビリティもしっかり効いていますよ。Glycerinシリーズにはスタビリティモデル『Glycerin GTS』がセットでラインナップされていますが、Glycerin MAXはクッション性とスタビリティの両方を兼ねていると思います。

大森：アッパー部分の履き心地はどうですか。

藤原：ブルックスらしい剛性のあるフィット感は健在です。

大森：確かにアッパーは厚手で、サポートが強めな感じがありますね。

藤原：シュータンやかかと部分もしっかりと厚手なので、昔ながらのシューズを想起するようなしっかりとしたフィット感があります。しっかりしたつくりですがシームレスな素材なので、履いた際の違和感が全然ないですね。

接地感はみなさんが想像している通りのソフトな感じで、接地後すぐに反発してくれる感覚や、全体的な安定感も覚えます。

大森：なるほど。藤原さんはどういうシーンで履きますか。

藤原：ジョギングでも使えますし、とくにゆっくりと長い時間・距離を走る『LSD』で使いたいですね。本シューズはゆっくり走らせてくれるシューズだと思います。シューズが自身の足を快適に推進してくれますが、ちゃんと重量があることも相まって、しっかりとゆっくり走れるシューズだと思います。

大森：軽いと足が回り過ぎてしまい、ついついペースが速くなってしまいますよね。

藤原：本シューズでジョギングをすると、自分にとって心地良いペースに落ち着いてくれます。そのため、いつもジョギングでスピードを出してしまうという方は、こういったシューズで気持ちよく走るのは良いでしょう。今作はサブ3ランナーの足休めとかにすごく向いていると思いますね。

大森：フルマラソン以上の距離を走る「ウルトラマラソン」にはいかがですか。

藤原：かなり良いと思いますよ。レースペースによってGhost MAXと比べても面白そうです。

大森：価格は税込27,500円ですが、これだけクッションの厚みがありながら素材自体の耐久性も高く、長く履くことのできそうなシューズですね。

藤原：ラバー部分もしっかりとしているので、アウトソールの耐久性も高いと思います。

大森：ブルックスの良さが盛り込まれたシューズだと感じます。

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ブルックスによる新たなミッドソールを搭載した『Glycerin MAX』。藤原さんのレビューを読んで、さらに試してみたくなったのではないでしょうか。気になった方はぜひ1度足を通して、そのMAXクッション&スタビリティを体感してみてください。

詳細情報

ブルックス｜Glycerin MAX

・価格：¥27,500（税込）

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藤原 岳久さん
FS☆RUNNING（旧藤原商会）代表
ランニングシューズフィッティングアドバイザー
日本フットウエア技術協会理事 /JAFTスポーツシューフィッター / 元メーカー直営店店長，販売歴20年以上
ハーフマラソン：1時間9分52秒（1993）
フルマラソン：2時間34分28秒（2018年別府大分毎日マラソン）

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