【アディダス】ADIZERO ADIOS PRO 3・TAKUMI SEN 9の履き分け方は?箱根駅伝ランナーも着用する定番レーシングシューズを徹底比較

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アディダスの定番レーシングシューズ『ADIZERO TAKUMI SEN 9』と『ADIZERO ADIOS PRO 3』。駅伝選手の間でも着用するモデルが分かれ、その違いや使用シーンも気になるところ。そんなランナーの悩みを解決すべく、今回もRuntripおなじみのシューズアドバイザー・藤原岳久さんが徹底比較します。

藤原さんは多くのシューズブランドを渡り歩き、シューズ販売に携わり20年以上。47歳でマラソン自己ベスト2時間3428秒を出し、現在も走るシューズアドバイザーです。

アディダスの定番レーシングシューズ2足を徹底比較

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(左から)ラントリップ代表・大森、シューズアドバイザー・藤原岳久さん

大森:アディダスの定番レーシングシューズ2モデルですが、自分にはどっちが合っているのか。違いはどこにあるのかなど気になっているランナーも多いと思います。ちなみに、価格は『ADIZERO TAKUMI SEN 9』が税込20,900円、『ADIZERO ADIOS PRO 3』が税込26,400円となっています。

藤原:ポイントは履きやすさで、接地感覚に対して履きやすい感覚が持てるかどうかだと思います。履きやすさと速く走れる感覚を冷静に比較してみると両モデルの違いが分かります。

大森:シューズによる助力の違いでしょうか。

藤原:そうですね。どこかのゾーンで「履きやすい」よりも「速く走れる」がメリットとして上回ります。私の場合はTAKUMI SENは履きやすい、ADIOS PROは反発が強くてそれをコントロールしていくイメージ。10km以上になるとADIOS PROを選びますね。2023年の箱根駅伝では40名弱くらいがアディダスのシューズを履いたなか、6人がTAKUMI SENを選びました。それは20kmという距離を走りやすい感覚があったのだと思います。

大森:なるほど。ADIOS PROは身体が拡張している感覚、TAKUMI SENは自分の足に近い感覚ですよね。

接地感が高い「TAKUMI SEN 9」はインターバルにおすすめ

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藤原:TAKUMI SENは接地感があり、個人的に1番使いやすいのはインターバル走。短い距離に使いやすく、400mのインターバルで前半ちょっと速いペースで走っても、接地感があるので回転数を落とさず走り続けられます。

大森:接地感を養って地力を高めてから、厚底レーシングシューズに移っていくのが良い使い方だと感じますよね。

藤原:これは身体にとっても必要な機能ですね。接地感を味わっておかないと、他のシューズもうまく使えないのではないでしょうか。

大森:クロスカントリーのような不整地を走る場合もTAKUMI SENは使い勝手が良さそうです。

藤原:やっぱり接地感があった方が良いでしょうね。あとは若い年代の学生には使ってもらいたい1足です。レースでは厚底シューズもいいかもしれませんが、レースの距離も短いですからまずはこちらの方がいいと思います。Lightstrike Proが全面に使われていて、ヒールには安定感もある。グラスファイバー製のEnergyRodsはしなりもある。自分の動きを表現しやすいシューズだと思います。

厚底カーボンシューズ「ADIOS PRO 3」は反発性が魅力

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藤原:ADIOS PRO 3はカーボン製のEnergyRodsがシューズ全面に入っていて、剛性が高いシューズです。それによって不安定なのはつま先外側の削られてる部分くらいで全体的には足裏にゴム毬が付いているような跳ね返りを感じます。それをコントロールしないとストライドばかり広がってしまうので、反発力をコントロールする動きが必要になると思います。

大森:個人的に最近の課題が厚底を履いているとストライドが広がってしまい、スピードをもう一段階上げたい時に脚の回転があまり鍛えられてないので追いつかないケースがあります。だから厚底を使いこなすためにもTAKUMI SENのようなシューズも使っておくことが大切だと感じています。

藤原:ランニングは基本的に重心移動の繰り返しなので、身体が前に行かないといけないですよね。どうしても跳ねるシューズは脚だけが前に進んでしまいます。

大森:結果、脚だけが前方で接地してブレーキがかかってしまうことになりかねないですよね。

藤原:だから履きやすい感覚も高めて、速く走れるという点とうまく組み合わせて欲しいなと思いますね。

大森:大事なことですね。

藤原:TAKUMI SENは5kmであれば個人的には履きやすさとスピードの出しやすさが一致している距離。ADIOS PROも今となっては履きやすいシューズだと言われていますが、前への推進力の方が上回っています。

大森:練習やレース内容、距離、スピードなどで使い分けてもらえれば良さそうです。

藤原:この2足をセットで使ってもらうことが効果的だと思います。

シューズによってその特徴はさまざま。目的によって使い分けることもトレーニング効果やパフォーマンスアップにもつながります。ぜひ、藤原さんのレビューを参考にアディダスのレーシングシューズを使い分けてみてはいかがでしょうか。

詳細情報

1.アディダス|ADIZERO TAKUMI SEN 9

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価格:¥20,900(税込)

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5〜10kmのロードレースやインターバル走におすすめのレーシングシューズ

2.アディダス|ADIZERO ADIOS PRO 3

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価格:¥26,400(税込)

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安定性が向上した厚底レーシングシューズ


藤原 岳久さん
FS☆RUNNING(旧藤原商会)代表
ランニングシューズフィッティングアドバイザー
日本フットウエア技術協会理事 /JAFTスポーツシューフィッター / 元メーカー直営店店長,販売歴20年以上
ハーフマラソン:1時間9分52秒(1993)
フルマラソン:2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン)
藤原商会オフィシャルサイト

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