MGC選手着用「ピンクシューズ」の実力。ナイキヴェイパーフライネクスト%

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こんにちは、シューズアドバイザー藤原です。

東京オリンピックのマラソンの代表選考レース『マラソングランドチャンピオンシップ』で優勝した中村匠吾選手をはじめ、服部勇馬選手、大迫傑選手までの1~3位のほか、出走選手が多数『ピンクシューズ』を履いていました。今回は満を持して、この『ナイキズームヴェイパーフライネクスト%』を紹介します。

まず、サブ4レベルのわたしの妻がはじめてこのシリーズを購入して履いた感想を。足を通した第一印象は、軽いというよりも「これで速くなるの?」 。その後、ゆっくりのジョギングで「クッションがあるなあ」、 スピード出すと「なるほど!! 」と、シューズの特性を感じたそうです。まさに、これにすべてが詰まっています。

やはり使ってみないと分からないところがあります。シリーズの第3世代となるネクスト%は、在庫が潤沢で、ランナーが望めば買えるシューズになりました。

では、わたくし藤原が「どこがどういいのか」「ヴェイパーフライ4%フライニットから、どこがアップデートされたのか」をしっかりと紹介していきましょう。

フルモデルチェンジのヴェイパーフライネクスト%

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今回は、“アッパー”、“ソールユニットレスドロップ化”、“アウトソール意匠”と、大きくこの3点が変更されました。そして『ミッドソールの素材ズームXフォーム(ぺバックス)』と『スプーン型のフルレングスカーボンプレート内蔵』以外はすべてアップデートされており、まさに『フルモデルチェンジ』です。シリーズというより、“新しいモデル” だと言えるくらいアップデートされたのです。

第2世代であった前回のフライニットバーションは、アッパーの変更がメインで、ソールユニットは変更がありませんでした。その点、ネクスト%はライド感(走り心地)に大きく手を加えたモデルなのです。

ヴェイパーフライシリーズについてまとめた動画はこちら

前回の11mmから3mm、レスドロップ(8mm)に変更したソール構造は、トレーニングシューズ並みに、半強制的につま先方向に重心が移動する感覚から、前足部全体に接地感を感じられるような……今までのシリーズで最もレーシングシューズっぽい、違和感が少ないライド感です。

スプーン状のカーボンプレートの推進力はそのまま、ソール前足部に確かな接地感があります。いままでは使いずらいと感じていたランナーでも、すんなり受け入れられると思いますよ。

『フィット感』と『通気性』がGOOD!

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さらに、特筆すべきポイントは『フィット感』 と 『通気性』 ですね。このネクスト%には、ズームフライ3のような2重構造ではなく、ヴェイパーウィーブアッパーがシングルで使用されています。

ズームフライ3が2重構造で、フィット感が良かったので、この素材のシングル使用は少し硬そうで、フィットしないのかと思っていました。しかし、フィット感は3世代の中で一番良いぐらいです。お世辞抜きに素晴らしい。シューズアドバイザーとしても、ここが1番のポイントだと感じます。

前足部に適度な膨らみがあって、踵がしっかり締まったそのシェイプは、ニットアッパーでは出せないしっかり感があります。また、かかとの内側についてる滑り止めがとても効果的。非常に安心できるフィット感ですね。

少し細みの足型の設楽選手にも、少し幅面がある大迫選手にも、どちらもフィットするというのは、決して過大表現ではないです。(足囲がある方以外かな)

また、通気性も素晴らしいです。これを履いたレースでスタートを待っているとき、風が吹いていたのですが、涼しいと思うほどに足元に風を感じたのです。

ヴェイパーウィーブは、そもそも雨対策で生まれたもので、風を通す上に、雨にも強い。まさに魔法のアッパー。これ、かなりのストロングポイントだと感じます。ほんとにビックリしますよ。

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アウトソールの意匠(デザイン)は、E・キプチョゲ選手が第1世代当初から履いていたエリートモデルのソールパターンに変わりました。グリップとつま先を乗り上げたときの感覚に改善、進化が見られました。もしかすると、前回モデルと比べて、ソール全体の印象が違うのは、このアウトソールの意匠の影響もあるのかなと思っています。(同様にズームフライ3もそう感じる)

気になるのは『価格』と『耐久性』

皆さんにとって気がかりなのは、やはりプライスの壁でしょう。30,250円って……。「一般的なランニングシューズ何足分? 」とついつい考えてしまいます。

「MGC選手着用「ピンクシューズ」の実力。ナイキヴェイパーフライネクスト%」の画像ちなみに『NIKE BY YOU』というシステムでは、アッパーとソールユニットをカスタムオーダーすることが可能です。「せっかく買うなら! 」という方は “自分らしいネクスト%” を作ることも可能です。ソールは共通してネクスト%のものですが、アッパーは第1世代から現行のものまで選べます。(足幅があるランナーは第1世代のアッパーもオススメです。1番広めだったので)

悩ましいことに、魔法のシューズにも弱点はあります……。今までのシューズ同様に、ソールの『耐久性』は見込めません。これをデイリーで使うランナーは、余裕がある人か、ただそれを知らない人でしょう。

デイリートレーナー(トレーニングシューズ)のズームフライ3などと『履き分ける』ことをオススメします。『ズームフライ3』をテンポアップトレーニングで使用して、『ネクスト%』は少し慣らして、大事なレースで使用するのがベストだと思います。わたしはそうしていますよ。

ネクスト%は、ハーフマラソンあたりから試したい

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わたしはまだ、ネクスト%をロードリレーのショートディスタンス(1.7Kを9回)で使っただけですが、フルマラソンより、むしろハーフとかロード10Kで、まず履いてみたいと思ってます。構造的には、比較的余裕があるスピードをどうやって維持するかに注力した作りなので、瞬発的な動きをサポートする機能がないことは、前作と同じです。ある程度長めの距離で力を発揮するでしょうね。

速く走れるシューズというより、結果的に速く走れるシューズだと思います。

ハーフマラソンで試して感じが良ければ、フルマラソンで使用し、2018年別府大分毎日マラソンで作った自己ベスト(2時間34分27秒)更新の “武器” しようと思っています。

ちなみに、選手の力量でも変わるのでしょうけど、これをトラックで使うアスリートの気持ちは理解できません。最近では、カスタムでスパイクにして使う選手もいるようです。わたしなら、接地感が必要な短い距離では “厚底ではなく薄底” を選びますね。200とか400mのインターバル、5~10Kレースような瞬発的なスピードが必要な距離には薄底だと思うし、その方が気持ちいいですし。よく考えてみましょう。ナイキは、何故今もなお、ズームストリークLTのような薄底やトラックスパイクを発売しているのでしょうか? それは必要用途があるシューズだからでしょう。大迫選手はツイッターで、 “インターバルはこちらが履きやすい” とストリークLTについて発信していました。それが正直な感想でしょうし、同感です。

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逆に、ロードでハーフマラソン以上の距離では、クッションやガイド機能があった方がパフォーマンスに対してのアドバンテージが間違いなくあります。薄底を使うことには、ランナーのアビリティー(能力)が大きく影響すると思います。日本伝統の薄底志向は、体の機能や筋肉の無駄遣いをしている場合もあるかと思います。

是非、履いてみましょう

もし、あなたが長距離のレースシューズを探しているなら、ナイキズームフライネクスト%はバリューの高いシューズであることは間違いないです。

気になっているランナーの方は、是非、購入してみてください! Nike.comでは、未使用状態に限り7日間の返品ポリシーが適用されるそうです。試してみる価値ありです。

使い方や使用用途を間違えなければ、あなたもシューズの進化を感じることができるでしょう。“厚底か薄底か” ではなく、“厚底も薄底も” の時代が来たのです。

足を通してみることを強くオススメします! You should try!!

ズームヴェイパーフライネクスト%

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・価格:30,250円(税込)
・ドロップ:8mm
・アッパー:通気性が良く、晴天でも、雨天でも快適なアッパー
・ミッドソール:『ズームXソール』を15%増強、クッション性を強化。『フルレングスカーボンプレート』はエネルギーロスを抑制
・アウトソール:エリートモデル同様の意匠(デザイン)のアウトソールでグリップ感向上

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ヴェイパーフライ ネクスト%は、史上最軽量のデザインでスピードを実感できるシューズ

(写真 Eliana

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