ランニング、お酒も楽しみたい! ランナー別の飲み会メソッド

「ランニング、お酒も楽しみたい! ランナー別の飲み会メソッド」の画像季節が巡り、歓送迎会などなにかとお酒の席が多くなる季節でもありますね! また、気持ちよくランニングできる絶好の季節になりました。

飲み会とランニング、どちらも一緒に楽しみたい! そんなランナーの皆さんにこそ、ぜひ知っておいてほしいことがあります。よくあるシチュエーション別にご紹介していきます。

走ってから飲む人は?

飲む “前” に水と食事をとりましょう!

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ランニング後の身体は、走る前に比べて脱水状態になります。走ったときに体感として汗をかいていなくても、呼吸や目に見えない水分の蒸発によって体内の水分が失われていきます。その身体にお酒を入れると通常よりも血中アルコール濃度が高まりやすく、酔いが回りやすかったり、翌日に残りやすくなったりします。仕事をする市民ランナーにとっては、翌日になるべく支障がないことも大切ですよね。

影響を最低限に抑えるためには、『血中アルコール濃度を急激に上げないこと』が大切です。*¹そのためには、『脱水状態を早めに改善すること』と『胃や腸からの吸収を緩やかにすること』がポイント。走り終わってから食事の合間に水分補給をしておくことで、脱水状態の改善につながります。また、乾杯前に食事を取ることは現実的には難しいですが、乾杯後に前菜をしっかり食べてからお酒を飲むことでアルコールの吸収を緩やかにできますよ。

今日も、翌日も走らない人は?

“楽しく適度に飲んで” 走るモチベーションをチャージしよう!

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仕事やプライベートの用事で、飲み会前後に走れない場合もありますね。そんなときの歓送迎会では、心と体の状態を整える場として活用していきましょう! もちろん、走らないからといって暴飲暴食してしまっては、いつものランニングで得るメリットを打ち消してしまうことにも。「どれ位のお酒の量が適量なのか」を把握しておくことが大切ですね。

厚生労働省が発表している健康日本21では『節度ある適度な飲酒(1日平均)』として純アルコール量で約20gまでとしています*²。これに相当する量は、ビールで500mL(中ジョッキ)、日本酒1合、ハイボール・サワー1~2杯、ワイン1~2杯。この量は通常のアルコール代謝ができる方を指しているため、下記に該当される方はより注意してお酒との付き合いをしていきましょう。

  1. 女性は男性よりも少ない量が適当である
  2. 少量の飲酒で顔面紅潮を来す等アルコール代謝能力の低い者では通常の代謝能を有する人よりも少ない量が適当である
  3. 65歳以上の高齢者においては、より少量の飲酒が適当である
  4. アルコール依存症においては適切な支援のもとに完全断酒が適当である
  5. 飲酒習慣のない人に対してこの量の飲酒を推奨するものではない

飲んでから、翌日走る人は?

“脱水ケア” をして走ろう!

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飲酒は『水分補給』として機能せず、逆に『脱水』状態を作り出してしまいます*³。これはアルコールが脳の働きを抑制して、尿の量を増やす働きがあるためです。

お酒を飲んだ翌朝は、睡眠中の水分消費も相まってより脱水状態になっています。翌朝走ることが決まっている場合は、お酒の飲む前・中・後や、起きてからの十分な水分補給をすることで翌日気持ち良くランニングできます。水をしっかりと取ることで、食事の食べ過ぎも抑えてくれるので一石二鳥ですね!

割り切って走ることも大切

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体感としては酔いが抜けて、走る時には“いつも通りのコンディション” に戻っていることもあります。普段のジョギング程であれば、お酒の影響はあまり感じられないかもしれませんが、レースや練習として強度の高いランニングをする場合は、多少割り切って走ることも大切です。

飲酒をしてから『12時間』は運動に飲酒の影響が出ます*4。前日の21時頃まで飲んでいた場合、翌朝のランニングではその影響が残る計算になります。このときの影響とは、アルコールが赤血球の酸素運搬を妨げることを意味します*4。いつもより、走るスピードが上がらなかったり、長く走れなかったりすることも。また、飲酒量次第ではこの時間が経過しても、脱水状態が生じることもあります。そのようなときは気負わずに「昨日のお酒のせいだろう」「やれるところまで頑張ったんだからよし!」と割り切ってみると、翌日のランニングも楽しめますね!

アルコールも上手く付き合うことで、ランニングも、健康も、そして日常生活にもプラスに活かせます。“飲みニケーション” から生まれるモチベーションを生かして、ランニングをより楽しいものにしていきましょう! そして、より長く走り続けられる身体作りも継続していきましょう!

 


■参考文献

*¹ウィリアム・マッカードルほか(2018)『スポーツ・運動 栄養学大辞典ー健康生活・医療に役だつ』(井川正治・中屋豊訳)西村書店

*²厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b5.html

*³谷口英喜(2013)『経口補水療法ハンドブック[改定版]ー脱水症状を改善する「飲む点滴」の活用法』日本医療企画

*4アーサー・リディアード(2014)『リディアードのランニングバイブル』大修館書店

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