桜島を堪能できる「鹿児島マラソン」、攻略のポイントはトンネルに!!【大会レポート】
Apr 22, 2016 / EVENT
Apr 26, 2019 Updated
2016年3月6日(日)、鹿児島県で「鹿児島マラソン2016」が初開催されました。1万人以上のランナーが集まり、海沿いのジオパークなど自然を満喫できるコース。給水所には地元特産品も用意されるなど、工夫の凝らされた大会です。そんな記念すべき第1回大会に参加してきましたので、出走レポートをお届けします。
スタート地点への移動と準備
スタート地点はウォターフロントに位置する「ドルフィンポート」。駅から離れているため、多くのランナーが誘導に従って徒歩で向かいます。その道中にも信号停止する場所がありました。早めにホテルを出たので良かったですが、思いのほかスタート地点到着に時間がかかり、ギリギリになったというランナーもいたようです。
スタート地点付近には仮設トイレのほか、給水も設けられていました。ドルフィンポート内は広い敷地があるので、ウォーミングアップやストレッチに取り組むランナーも。
スタート地点には、大勢のスタッフや応援の方々、メディアなどが訪れていました。スタート時間が近づくにつれてランナーが増え始め、少しずつ緊張感が漂います。私は最前列に並んでいましたが、やはり周りは記録を狙うアスリートが多い様子。ちなみに先頭には、後から招待選手が並びました。
桜島を望む自然豊かなコース
号砲と共にランナーが一斉にスタート。同時に、周囲からも拍手や歓声が沸き起こりました。
「いってらっしゃーい!」
「頑張ってー!」
という声に背中を押されながら、42.195kmの旅へと出発です。スタート直後の道は写真のようにやや狭いので、記録を目指すなら、できるだけ前に並んで混雑を避けた方が良さそうです。
スタート後、しばらくはウォターフロントや天文館エリアなど人通りの多い市街を走ります。中には、路面電車の路面にそって走るコースもありました。市街エリアは道が広く、沿道には切れ間なく応援の方々が。これだけでテンションが上がります。
ちなみに、この日は曇り空で、いつ雨が降ってもおかしくない天候。しかし気温は低くないため、むしろ走りやすいコンディションです。スタート時には雨を予期してカッパなど着ている人がいましたが、皆さんすぐに脱いでいるようでした。
コース上で通過するトンネル。走ってみて分かりましたが、このトンネルが実はちょっと重要なポイントでした。距離としてはスタートから10kmを過ぎた辺り。緩やかな下り坂なので軽快に走っていくのですが、このトンネルを抜けると・・・
目の前に桜島が!
ここから先は、しばらく桜島を横目に見ながら走っていくことになります。
記録を狙うランナーたちも、桜島の風景にはチラリを目線を送っていました。雲がかかって全容が見えるタイミングは少なかったものの、その雄大さは十分に感じられたことでしょう。
しかもこの桜島、見る角度によって見える形が変わります。台形に見えたり、尖って見えたり…。その変化もまた、鹿児島マラソンの楽しみの1つと言えそうです。
ただしトンネルを抜けてから30km程は、沿道に応援の姿はありません。スタッフの皆さんは
「頑張ってください」
などと声を掛けてくれますが、市街エリアとのギャップはなかなか。さらに、どこまで続くか分からない道のりが目の前にあるため、疲労が溜まり始めると辛く感じるコースです。ただし、途中からは折り返してくるランナーと出会えるので気が紛れました。
約26kmで折り返し。折り返し地点付近では、久々に多くの応援が受けられました。わずかな区間ではありますが、むしろ市街エリアより大勢の人がいたかもしれません。しかし折り返せば、すぐにまた静かなコースへ逆戻り。私は景色を楽しめる派なので苦には感じませんでしたが、
「ここからトンネル戻るまでが勝負ですね」
と他ランナーに声を掛けられました。走力はもちろんですが、メンタルも鍛えられる大会です。
同じ道を走ると言っても、景色は違って見えるものです。桜島も行きとは違った風貌で、なんとなくランナーを応援してくれているような気さえしてきます。
そして40kmを手前に、再びあのトンネルへ。このトンネルが上り坂になっており、ジワジワと疲労の溜まっているランナーを苦しめます。しかし、だからこそ文字通り“最期の関門”と言えるでしょう。トンネルを抜ければ残り2km、きっと少しずつ応援の声も増え始めるはずです。
建物、そして人が増え始めると、なんとなく
「もうすぐゴールだ!」
という雰囲気が感じられてきました。ラストスパートを始める人や時計を気にし始める人など、皆さん思い思いにゴールへと突き進みます。幸いにも、雨には降られずにゴールできそうです。
そしてゴール!
鹿児島市役所の横に設けられてたゴールゲートは、多くのスタッフや応援の方々に囲まれています。空を見上げてみると、いつしか雲が薄れて青空が。出場された皆さま、お疲れさまでした。そしてスタッフや応援の方々、ありがとうございました。
レース中には美味しい給食も
鹿児島マラソンには“走る”以外の楽しみも。それが、コース上に設けられた給水所で提供された美味しい地元の食べ物です。
食べると水が欲しくなりますが、甘くて美味しい「さつまいも」。
柔らかい「つけ揚げ」は、ゴール後のビールをより一層楽しみにさせてくれました。
「金平糖」で糖質補給!飴玉のように口に入れて走ると、少しずつ溶けて程よい甘さが広がります。
この他にも、たんかん、かるかん、げたんぱなど、本当にたくさんの食べ物が。記録を狙うのも良いですが、スタッフの皆さんとコミュニケーションを取りながら、美味しい給食を味わうのもオススメ。
ちなみに給水とは異なりますが、地元の子供たちはコース上で太鼓も披露してくれました。コースや給食、景色、そして応援に至るまで、十分にランナーを楽しませてくれる大会。来年の開催も、今から楽しみです。