東京五輪に出場なるか!? 芸人・猫ひろしが挑む東南アジア大会

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(写真 佐藤主祥)

34歳で国籍をカンボジアに移し、5年間の紆余曲折を経てたどり着いたオリンピックという大舞台。夢を実現した40歳の芸人・猫ひろしさんは、現在も2年後の東京五輪を目標に走り続けています。

前編ではリオ五輪出場までのエピソードをお話しいただきましたが、後編ではカンボジアの現状や、普段のランニングスタイルについてお話しいただきました。

前編はこちら

来年の東南アジア大会が最大のターゲット

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▲カンボジアの練習仲間と一緒に写る猫ひろしさん(左から2人目)

――カンボジアには年にどのくらい行かれるのでしょうか?

トータルで年に3ヶ月くらいですね。向こうで大会や合宿がありますので、その時期に帰っています。

――カンボジアでは何語が使用されているのでしょうか?

クメール語という言語です。今も勉強中なのですが、早口で話されるとわかりません。でも英語と半々なので、何とかなっていますね。

――現在は2度目のオリンピック出場に向けて取り組んでいると思うのですが、カンボジア国内のレベルは上がっているのでしょうか?

少しずつタイムは上がってきていますが、まだそんなにレベルは変わっていないのが現状です。若い子たちが増えてはいるのですが、まだフルを走る子がいないんです。現段階で、僕の次に速い選手が2時間38分くらいですね。

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▲国籍変更から7年。カンボジア人とのコミュニケーションもばっちり

――では、現在の位置をキープしていれば、東京五輪は夢ではない?

そうですね。でもカンボジアで1位になっても、東南アジア大会で結果を出さなければいけないんです。カンボジアは陸上種目でオリンピック標準に達している選手が誰もいないので、その場合は男女1人ずつしか代表で出場することができません。

――東南アジア大会はいつ頃にあるのでしょうか?

来年の11月~12月です。ちなみにリオの時は(陸上競技で最高位の)4位という成績で選んでいただきましたが、東南アジアでメダルを取ればほぼ確実と言われているので、そこで結果を残すために練習をがんばっています。

猫ひろしのランニングスタイル

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▲1日平均30㎞は走るという猫さん。取材当日も事務所まで通勤ラン(12㎞)をしてきたという Photo by Kazuyoshi Sato

――カンボジアの気候は日本と比べていかがですか?

1年中暑いですね。四季がなくて、雨季と乾季しかないんです。朝の8時には暑くなるので、早朝5時くらいから走るようにしています。あとは夕方ですね。

――練習は1日に何㎞くらい走られるのでしょうか?

平均30㎞前後は走ります。

――練習拠点は基本的に日本(都内)だそうですが、どの辺りで練習するのでしょうか?

スピード練習をするなら木場公園。あとは最近「豊洲ぐるりコース」というのができまして、1度も信号に引っかかることなく4.8㎞とれるんです。アップダウンがないので、皇居よりもいいんじゃないかと、ランナーの間で注目されているコースです。

あとは駒沢公園、神保町の「ハイテクスポーツ塾」、皇居などですね。それ以外は通勤ラン。今日も自宅から事務所まで12㎞走ってきました!

――何かアイテムやシューズにこだわりはありますか?

カンボジアでの合宿には、いつも見てもらっている整骨院の先生がいないので、ケガをしたときのために「アスリートミニ」(伊藤超短波)という微弱電流が流れる医療機器を持ち歩いています。

――整骨院でよく治療に使われるものですね。

そうです、そうです。それの小さいバージョンです。移動しながら、寝ながらでもつけられるので、これがあるとケガの治りが早いです。オリンピック選手もつけていましたよ。

あとはGPS時計。コーチはカンボジアに来られないので、これがあると距離やタイムが測れて便利ですね。

――シューズは何かこだわりはありますか?

最近話題の厚底シューズや足袋型シューズなど、いろいろ試しましたが、僕には従来の底の薄いシューズの方が合っている感じがします。

ドキュメンタリー映画は「笑いあり、涙あり、お色気あり!?」

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▲7月11日、12日にはカンボジアで『ホリエモン祭 IN カンボジア with NEKO THE MOVIE』が開催される Photo by Kazuyoshi Sato

――最後に、映画の宣伝と見どころをお願いします!

この作品はいろんなスタッフの人が集まって作ってくれて、言わば僕は神輿の上で担がれて、ただただ猫まっしぐらに走っているだけです。でも僕を担いでくれている人たちが一生懸命やってくれたおかげで、すばらしい映画に仕上がりました。上映試写会を何度かやっているのですが、同世代の男性を中心にすごく評判がいいんです。「どうせ猫ひろしの映画だろ?」と思わずに観てもらいたいですね。笑いあり、涙あり、お色気ありなので!

――お色気もあるんですか?(笑)

お色気もありますよ!(笑)。そこは観てのお楽しみということで。あとは“カンボジア人から見た猫ひろし”というのも、僕のいないところでディレクターさんが聞いてくれたみたいで。僕がどういう風に(カンボジア人に)見られているかっていうのは、多くの人は知らないと思うんですよね。僕も映画を観て初めて知りましたから(笑)。

それと、幻冬舎さんから『僕がカンボジア人になった理由』という本が出版されていますので、そちらも合わせて読まれると面白いと思います!

――貴重なお話をありがとうございました! 今後のご活躍を期待しています!

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猫ひろし
1977年8月8日生まれ、千葉県出身の在日カンボジア人。本名:瀧﨑邦明(KUNIAKI TAKIZAKI)。WAHAHA本舗所属。2000年代よりバラエティ番組等で活躍後、2011年には翌年のロンドン五輪出場を目指し、カンボジア国籍を取得。ロンドンでの五輪出場は果たせなかったが、4年後のリオデジャネイロ大会では悲願を達成させた(140人中139位/2時間45分55秒)。現在は東京五輪出場を目指し、トレーニングを続けながら芸人活動を行っている。フルマラソン自己ベストは2時間27分48秒(2015年東京マラソン)。

<関連サイト>
『NEKO THE MOVIE』公式ホームページ
『ホリエモン祭 in カンボジア with NEKO THE MOVIE』
猫ひろし公式ホームページ

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