新感覚RUN「TOKYO RUN+5 CHALLENGE」開催のアディダス・ランナーズの活動とは
Oct 20, 2017 / EVENT
Apr 26, 2019 Updated
11月11日に明治神宮軟式野球場を発着点として、都内の街を駆け巡った後に大型のアフターパーティを行う新しいイベント、adidas RUNNERS TOKYO Presents “TOKYO RUN+5 CHALLENGE”が開催される。
これは、5人1チームが与えられた課題に対して、それをクリアすべく都内を駆け抜けた後に、明治神宮軟式野球場にて豪華ゲストを迎えたアフターパーティが行われるというものだ。アディダスのランニングイベントとしては新しい取り組みとなる今回のイベントでは、AR TOKYOが舵を切ってこのイベントを先導する。
※AR=アディダス・ランナーズ
活気に溢れたロンドンのアディダスランナーズ
上記の“TOKYO RUN+5 CHALLENGE”のイベントでは、AR TOKYOのみならず世界中のARのゲストを招き、各々の交流やネットワーク拡大が予想される。そこで、7月のベルリンでのアディダスランナーズシティナイトの紹介記事やARベルリンによる、ベルリンのランベースの紹介記事に続いて、ロンドンのARのセッションを例にとって、海外のアディダスランナーズの活動についてここで紹介する。
8月初旬に、私がロンドンに赴いた際に、ARロンドンのランニングセッションに参加した。海外からの参加者でも気軽に参加出来るのが、ARのネットワークの強みでもある。もちろん、それは日本でのARのセッションも同じように、海外からの参加者を広く受け入れている。
金曜日の朝のロンドンの街を駆け抜ける。ロンドンならではのオシャレな街並みの中を走る
(補足:右の一番後ろの男性のTシャツはARパリのTシャツで、ARパリは、ARパリの中にもいくつかチームがあって、各ARパリのチームそれぞれに動物のロゴが設定されている。他の世界各国のARにチームには基本的には動物のロゴは設定されていない)
この日のセッションでは朝7時にロンドンの中心地のコーヒーショップに参加者は集合し、そこで荷物を預けたあと、走り出す。この日は晴れていて、8月のロンドンは涼しい。そして、朝なのでもちろん清々しくて気持ち良い。そんな一日の始まりを異国の地で初対面の方々とモーニングランで過ごす。それは、絵に描いた様な素敵なひと時であった。
しかし、そんな最高の時間もこの後は180度急展開を迎えることとなる……
トレーニングの場所に到着してメンバーにメニュー内容を話すARロンドンのキャプテン
この日のセッションの内容は“HILL TRAINING”=ヒルトレーニング。“その坂とやらはどこにあるんだ?”と、思いながら数十分走ってやっとたどり着いた先は、ロンドンならではの光景であった。
ロンドンならではの特殊地形を活用した坂トレーニング
通常のロータリーのような円になっている地形でのトレーニング。でも普通の円ではない!?
到着した場所は、何やらロータリーのような円となっている場所で、そこは“パーシー・サーカス”と呼ばれている場所だった。ここでいうサーカスとは、一般的にイメージされる大道芸のサーカスではなく、イギリス英語で、放射状に道が広がる“円形広場”のことを指している。
地図で見れば普通のロータリーのようにも見えるが…
この、Gの地点が坂の始まりとなっていてそこからひたすら上る。半円の終点が坂の頂上となっていて、そこからはGの地点にかけて下っていく、という坂の周回コース(赤い線の通り)となっている。傾斜上にあるその円は、まるで傾いたお皿のように、非常に特殊な地形となっている。
以下の写真をみてわかるように、この日のヒルトレーニングは、この円、というよりも前方後円墳のような周回コースをひたすら20分ほど走り続ける。上りはダッシュで下りはゆっくりと。それの繰り返しを20分間延々とやっていく過酷なトレーニングであった。
ロンドンらしい特殊地形。坂の途中に円が存在するので周回の坂トレーニングが可能。日本ではお目にかかれない光景
たくさんの参加者が一斉に走り出し、延々とループを走り続けている光景は、群れを成す野生動物の大移動のようであったが、その様子を見ていたロンドンの警察官も、このセッションの参加者に対してハイタッチをするなどアドリブをみせていた。坂ダッシュのトレーニング中に、警察官がランナーを励ます姿はおそらく日本では見られない光景だった。
真剣な表情でトレーニングセッションを行うARロンドンのメンバーの様子
このようにロンドンの特殊な地形を活かして、コースやトレーニングメニューを工夫して、トレーニングの質を上げている、ということがとても印象的であった。これぞまさにロンドンのヒルトレーニングである。世界各国の地形を肌で感じれるのは、ランナーの特権かもしれない。
トレーニングセッション終了後の無料のコーヒーサービスを用意するスタッフ
トレーニング終了後は、簡単なストレッチと体操をして終了。無料のスナックとコーヒーまたはペットボトルの水を貰うことが出来た。セッションの前半は、リラックスした雰囲気でロンドンの街中を清々しい朝の太陽ともに走り、後半はヒルトレーニングで集中して自分を追い込んでみる。最後にはコーヒータイムでまた、リラックスして平日の朝が始まる。なんと素晴らしい一日の始まりであろうか。
平日、金曜日の朝のAM7:00〜8:00のセッションにもかかわらず、60名近い参加者がいたのは驚きだった
この集合写真を見てもわかるように、ARロンドンやそのほかの地域のARのTシャツを持っていなくても、誰でもこのARロンドンのセッションに参加することが出来る。それにしても、平日の朝とは思えない人数での大盛り上がりのセッションであった。
片道でのトレーニングを可能にする“荷物タンク”
今回のARロンドンのトレーニングセッションには60名近い参加者がいた。平日の朝にもかかわらず、それまでに多くの参加者がいたのはなぜだろうか?それは、
①誰でも無料で気軽に参加出来る
②無料で荷物を預かってくれる
③スタートとゴールが違う片道コースなのに荷物をゴール地点まで持っていってくれる
④トレーニングをした場所でセッションが終わってから、すぐに荷物を取って、それぞれがすぐに会社に行ったり次の用事に備える事が出来る
ということに集約されている。そもそも平日の朝に発着点を確保しようとしたら、ランニングステーションの場合は営業していないかもしれないし、競技場も空いていない場合が多く、多少なりの工夫が必要である。このようなARロンドンの片道のセッションを可能にしているのが、以下の“荷物タンク”である。
ARロンドン特製の荷物タンクとアディダスカー
私はこのセッションに参加して、
「なるほど、その手があったか」
ということに気づいた。
片道で行うランニングイベントでもコレがあれば自由自在にコースが設定出来る
通常のイベントであれば、競技場や公園などは除いて、外に出て走るとなると、基本的には“発着点”というものが存在する。それが、ランニングステーションであったり、カフェやメーカーの直営店であったり、その他のショップであったりと様々ではあるが、基本的にはそこから出発して、そこに戻る、というスタイルが、ランニングのイベント、特にグループランにおいては一般的である。
ランニングステーションの良さは、例えばシャワーがあったり、例えばそこで併設されたトレーニングジムがあったり、講習を受けられたり、ランニング用品を購入する事が出来たり、など様々である。しかし、このご時世でも、車の中(この場合は荷物タンクの中)に荷物を置いておく、というシンプルな発想は、60人もの参加者を要するイベントにおいても十分に機能しているように見てとれた。
初回の参加者などへのシューズのセールストークも欠かせない
さらには、荷物タンクの逆側には、シューズの販売スペースも確保しており、また次へのセッションの参加を促すうえで、余念がない。こういった荷物タンクの活躍や、荷物タンク内での物品販売はいたってシンプルなことである。
この日は、朝の7時00分にセッションが始まり、8時過ぎには終了して、参加者はそれぞれ会社に行くなり、すぐに次の予定に備えていた。このセッションに参加した、ロンドンの中心地の会社に勤務する男性は
「このセッションを楽しみにしていたから、走り終えた今は満足感で一杯だね。今から会社に行かなければいけないけど、このトレーニングですごく追い込んだから、もうクタクタだよ。笑」
と、笑顔で話してくれた。その男性は、ロシアのソチで、ARソチのセッションに参加した時のことも教えてくれた。そしてARソチのTシャツを着用していた(きっと彼のお気に入りなのだろう)。その時、私と彼が世界の様々なARのことについて話していたように、こうやって世界のアディダスランナーズたちは繋がっていくのだろう。
ARロンドンの他のセッションについては、平日の朝だけではなく、平日の夜にも開催され、その他にも女性だけのセッションやファンラン、トレーニングなど多様多種のプログラムが設けられている。みなさんもぜひ、ロンドンに旅行される際や出張に行かれる際は誰でも参加可能なARロンドンのセッションに参加されてみてはいかがだろうか。
(ARロンドンのページ)
フォトギャラリー
“TOKYO RUN+5 CHALLENGE”では、日本国内からたくさんのランナーが集まるほか、海外からも各地のARメンバーが日本に訪れることが予想される。日本のみならず海外のランナーたちと交流して、現地のマラソン大会などの海外マラソン情報について教えてもらうのには絶好の機会となるであろう。
【adidas RUNNERS TOKYO Presents “TOKYO RUN+5 CHALLENGE”公式ページ】
本イベントへのエントリーはコチラ↓↓から。応募締め切りは10月25日の正午まで。エントリーはお早めに!!
http://shop.adidas.jp/running/community/