マラソン界の不思議!? あなたが“年齢を重ねても”結果が出せる理由

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ランニング界には、高齢にも関わらず結果を残し続けるランナーがたくさんいます。例えば、シニアランナーの中野陽子さんは81歳。35歳以上のアスリートが参加する「全日本マスターズ陸上競技選手権大会」の75~79歳の部で、3種目の世界記録と2種目の日本記録を持つ方です。2015年3月の横浜マラソンでは、4時間11分50秒のタイムで完走。サブ4に程遠い30代ランナーの筆者からすると、尊敬の眼差ししかありません。

彼らはなぜ、年齢を重ねても活躍し続けることができるのでしょうか。

彼らに共通するのは、これまで繰り返しトレーニングを行ってきたこと。最近の脳科学の研究では、「繰り返し反復練習をすれば、ミエリンという化学物質が神経細胞の周囲に生まれ、それが神経細胞をより高度な機能にさせてくれる」ということがわかったと、書籍『Kのロジック』で紹介されています。

反復作業という同じ信号を神経細胞に送り続けることで生まれるミエリン。これが神経細胞のメカニズムを改善して、高度なパフォーマンスを発揮するための一翼を担うというのです。

同書では西ベルリン大学で実施されたある研究データが紹介されています。それは、能力の違いを作るものは何かというもの。

優秀なバイオリニストを輩出する同大学には、国際的な独奏者として活躍するAグループと、Aグループには及ばないですが優秀なバイオリニストが揃うBグループ、そして、A・Bには入れないCグループの3つのグループがありました。

彼らのキャリアを徹底調査したところ、日々の音楽活動の時間は週51時間でそこに差がありません。しかし、1人で練習する時間はA・Bグループが週平均24時間で、Cグループは9時間と差が出ていることが判明しました。この差は大きいですよね。

続いてA・Bの差はどこにあるのでしょうか。これを調査すると、18歳になるまでの「累積練習時間」に大きな差がみられました。Aグループは18歳になるまでに、平均7410時間を費やして音楽活動を行ったにも関わらず、Bグループでは平均5310時間。仮にAグループの方が、Bグループよりも、1日1時間多くトレーニングしていたら、その経験が約5年分もあることがわかったのです。

ここでも「累積練習時間」が無視できないことがわかりますよね。

「『1万時間の理論』は、もはや多くの人々が知っている法則だろう。これは神経学者のダニエル・レヴィティンが唱えた理論である。一流のスキルを身につけるには、少なくとも1万時間を注ぎ込まなければならない、彼はそう主張した」(同書より)

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ランナーの皆さんにとって、ランニングの「累積練習時間」は何時間になりますか? まだまだ1万時間に届かなくても、長くこのスポーツを続けることで、その反復練習が好影響を与えそうですね。

暖かくなり、少し走りやすくなってきました。今日も、走りに出かけてみませんか?

 


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