“ゆっくりランニング”が逆に効果的!! ジョギングが脳に与える好影響とは

「“ゆっくりランニング”が逆に効果的!! ジョギングが脳に与える好影響とは」の画像

ランニングは私たちの生活を幸せにしますが、脳にも好影響を与えることをご存じでしょうか。

人の脳は、0歳から12歳前後の思春期までに形成されます。その後、加齢にともない脳の細胞は減っていくものが当然とされていました。しかし、例外があります。「海馬」です。記憶全体をコントロールしている「海馬」だけは、何歳になっても大きくなることがわかったのです。

海馬の特徴的な働きとして、東北大学加齢医学研究所教授・瀧靖之さんは自著『脳が目覚めるたった1つの習慣』で、「『海馬』はパソコンでいえば一時的なメモリの役割を果たすと同時に、必要があるものは、ハードディスクに移動してそこで保存させたりする」と解説しています。まさに、記憶の司令塔。そんな海馬はできるだけ大きくしたいものですね。

その海馬成長に、影響をあたえるのが「有酸素運動」。

2011年にピッツバーグ大学(アメリカ)などの研究チームが発表したところによると、「適度な運動を1年間続けることで、海馬のサイズを大きくすることが可能」とのこと。同研究チームでは、55~80歳の健常な男女120人を集めて、2つのグループにわけました。1つは、有酸素運動(この場合はウォーキング)1日40分を週に3回。もう1グループは、ストレッチのみを行いました。

すると、この2グループで差がでました。前者は6カ月後に海馬の体積が左右ともに2%前後増加。後者は左右ともに1.4%の減少が見られたのです。これは大きな違いですね。

ご存知な方も多いかと思いますが、有酸素運動はサッカーやバスケットといった激しい運動ではありません。ウォーキングやジョギング、サイクリング、水泳といったもので、息が切れるほど追い込むのではなく、一定の心拍数をキープします。

こちらは、筑波大学大学院人間総合科学研究科・征矢英昭教授の研究によって明らかになっています。心拍数が90~100ぐらい(1分間)の運動で効果があるとしており、ランニングよりも少しゆっくりめを意識すると良いでしょう。このペースでのランニングを1日10分ほど、2週間続けると脳神経が増え、6週間で認知機能そのものが向上したという研究結果を発表しています(2014年)。

これらの研究はランナーにとって嬉しい結果ですね。体がおもくて長距離が走れない時でも、ランニング(しかもスローペースでの)をする動機となりますね。追い込むだけがランニングではありません。ゆっくりと有酸素運動を取り入れることで、「記憶の司令塔」こと海馬を大きくすることができるのです。

ということで、今日も、ランニングに出かけてみましょうか。


“あえて”走る時間をつくる!! 経営者・クリエイターらが走る理由

自然の中を走るとこんなメリットも!?

ワニの左手が書いた新着記事
RUNTRIP STORE MORE
RANKING
「COLUMN」の新着記事

CATEGORY